湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

光の柱

2014-12-26 11:28:22 | 
暮れかかってきて
雲の切れ間から
ななめに
光の柱が二本
かなたの水面に入っている
あれは
昼間
水の中にさしこんだ光が
空へ還るのだろう

(川崎洋「海をみている」より)

クリスマスの夕方、逗子葉山の空へ還る光たち

個性という差異が尊重される時代にあって、普通のままでありつづけることは、もっと困難なことのひとつである。おそらく、詩人は少年の目、それは世界に対する批判性を獲得する前のという意味だが、そのままで世界と向き合っているのだろう。だからこそ、その詩からは自然を始めとする万象への驚きと慈愛が失われることはない。そして、それは生きている限り必然的に蓄積されていく知識と情報を捨てないかぎり実現できない。川崎洋の詩における「普通さ」とは、逆に普通に生きているならば実現できないものであるわけで、このあたりに詩人の特異な方法論が潜んでいる。 (城戸朱里「戦後名作詩選1」より)
コメント
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