湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

未来をテーマに パート4

2014-12-16 00:30:45 | オリジナル
「未来」というお題、結構いろんな詩ができますね。Aが書いた2本目です。


永遠に来ないミライ

ミライは
今じゃない所だよね
新しいことなんだよね
今と別の新しいこと見つけたいな
でもわたしが住む穴倉の住民は
やめたほうがいいって言う
そんなことを考えるのは生意気だ
だいたい君はミライの実態を知らないだろう
ミライに行ってもいいことなんかない
ずーっとここに埋まっているべきだって言う

ああ
光を感じたいよ
色の付いた景色が見たいよ
流れる空気を嗅ぎたいよ
いろんな物を触りたいよ
鳥が鳴くのを聞きたいよ
新鮮な食べ物を味わいたいよ
遠くまで行きたいよ
何かに挑みたいよ
冒険がしたいんだよ
ただうずくまって泣いているのはいやだ
見晴らしのいい所に行きたい
怪我してもいいから
騙されてもいいから

でも
危険なミライで誰も支えてくれなかったら
きっとわたしは野たれ死んでしまう
穴倉の住民は行くなと警告することで
わたしを護ってくれている
彼らの言うことを聞いて我慢すべきなんだ
ここでこのまま狂ってしまったとしても
ミライを探しに行くべきじゃない
このまま哀しみと不安だけを抱えている方が安心だ
湿って澱んで埋もれている方が安全なんだ
これがミライに関する真実
わたしにミライはない
だって何も知らないんだから
コメント
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