湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

穂村本2冊

2014-12-10 11:59:53 | 文学
年末だから不要な本を処分、処分。

買い取ってもらう時の単価の安さに、テンション下がりますね~。
気をとりなおして読書、読書

対談相手は高橋源一郎・長島有(ブルボンヌ小林)・中島たいこ・一青窈・竹西寛子・山崎ナオコーラ・川上弘美です。
詩人は登場しないけれど、川上弘美さんが詩について言及しています。
詩では、一つの単語一つの言葉と向き合って、愛しんで、手の中で転がしてあっちから眺めたりこっちから眺めたりして、言葉自体の手触りを思いながら作るけれど、小説ではもっとスピードというか立ち止まらない勢いのようなものが必要…
また中島たいこさんとの対談の中で、穂村さんは詩の言葉についてこんなふうに言っています。
小説に比べて詩のほうが、言語との摩擦係数が高い。

そんな詩の言葉と違って偶然生まれた天使的なフレーズを集め、考察したのがこちら。この本に繰り返し出てくる美容室で洗髪してもらっている時の美容師さんの謎の台詞について、ツッコんでいるうちにこんな方向に行ってしまうのが穂村流。
「お湯加減はいかがですか」
「おかゆいところはございませんか」
「気持ち悪いところはございませんか」
「耳は気持ち悪くございませんか」
(中略)
 先日、久しぶりに髪を切りに行ったら、また仲間が増えていた。
「流し足りないところはございませんか」
 混乱する。ええと、流し足りないところがあるかないか、いちばんよくわかるのは現に流しているあなたですよね。こっちは仰向けで、顔にガーゼみたいなものをかけられて、何もみえないんだからわかりませんよ。髪の毛には触覚がないんだから。
(中略)
 対象を頭部周辺に限定したまま、サービスを手厚くしよう、という根本方針に無理があるんじゃないか。そんなにサービスしたければ、もっと範囲を広げたらどうか。髪を洗いながら、例えばこんな風に問いかけるのだ。
「小腹が減っていませんか」
「エロい御気分じゃありませんか」
「アメリカン・パーティー・ジョークはいかがですか」
「死んだお母さんに会いたくありませんか」

コメント
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