公園の石段に中年の男が腰をおろしていました。
見ると膝に黒猫が・・・思わずドキッと。
ゆったりと時間の流れる晩春の昼間。
黒猫が非日常の空間を造り出しています。
黒猫というと菱田春草のそれを思いだします。
どんな男なのか、どんな訳ありか?・・・。
物語を想像させる句です、と結宇さん。
黒猫を詠んだ句。
緑蔭に黒猫の目のかつと金 川端茅舎
行く春の黒猫の目にゆきあたる 坪内稔典
黒猫を抱いて待つことには慣れず 大西泰世
大西泰世さんの句は男を待っているのですが、
晴代さんの句の男は何を待っていたのでしょうか・・・
晩春と言う季語から、人ではないとも読めますが。
遅足