575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

晩春や黒猫抱き坐す男   晴代

2018年04月23日 | Weblog

公園の石段に中年の男が腰をおろしていました。
見ると膝に黒猫が・・・思わずドキッと。
ゆったりと時間の流れる晩春の昼間。
黒猫が非日常の空間を造り出しています。

黒猫というと菱田春草のそれを思いだします。
どんな男なのか、どんな訳ありか?・・・。
物語を想像させる句です、と結宇さん。

黒猫を詠んだ句。

 緑蔭に黒猫の目のかつと金   川端茅舎
 
 行く春の黒猫の目にゆきあたる  坪内稔典

 黒猫を抱いて待つことには慣れず  大西泰世

大西泰世さんの句は男を待っているのですが、
晴代さんの句の男は何を待っていたのでしょうか・・・
晩春と言う季語から、人ではないとも読めますが。

                  遅足

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