遅い巣立ち 遅足

暦のうえでは秋。朝の青い空にヒヨドリの声。
呼ぶように鳴いていました。尋常な鳴き方ではありません。
庭の木蓮の木の上のほうに眼を凝らすと・・・
まだまだ飛べそうもないヒヨドリの子が一羽。
口を開けて待っています。

親鳥の巣立ちを促す声です。
餌を取りにどこかへ行ったかと思えば・・
すぐに現れて、また呼びかけています。

カラスが鳴きながら上空を飛んでいきます。
見つかったら食べられてしまいます。
また猫も要注意。地上に降りたら、ひとたまりもありません。

夕方、家に帰って見ると、もう鳴き声は聞こえませんでした。

　　猛暑日の空へヒヨドリ飛びたてり

巣立ち、は春の季語です。
しかし実際には、９月頃まで子育てをする鳥もいます。
ヒヨドリもそうした鳥で、私たちには見慣れた鳥ですが、
海外からのバードウォッチャーにとっては、
ぜひ観察したい珍しい野鳥だそうです。

今朝はまだ蝉も鳴かず、静かな庭に戻っています。
ヒヨドリの子は無事、巣立ちを果たしたのでしょうか？