575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ガマズミ       草女

2008年12月12日 | Weblog
12月の初め、小幡緑地に行ってきた。今年はどこも紅葉がうつくしい。小幡緑地でも紅葉ばかりでなく木々の実がうつくしい。その中で人目を引いたのがガマズミの実。1個1個は5,6mm球形で、それらが集まって赤く熟している。仲間の1人が食べてみて「爽やかな味!」
 ガマズミという名前の由来の定説はないが、「ズミ」は酸実からきていてかなり酸い。中部地方にはミヤマガマズミやコバノガマズミもあるが、どれも酸い。これらの実を焼酎に漬けると実に綺麗な赤い色の果実酒になる。

ガマズミはスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木で北海道から九州まで自生している。マタギは山でガマズミの実を見つけると幸運を喜んだという。この実を食べれば、また1日歩き回れるからだ。疲労回復の効果があるそうだ。同じスイカズラ科にカンボクやハクウンボクがあり、ガマズミに似た実をつけるが、これらは有毒なので要注意。
春、海上の森で1番に咲くのはミヤマガマズミ、次にコバノガマズミ、そして5月にガマズミが締めくくる。どれも純白でうつくしい。美しいはず、オオデマリの仲間だもの。
 ここに一つ大きな疑問が残る。この花も実も美しい有益なガマズミが庭樹にされなかったのはなぜかである。

  がまずみの実には疎開の思ひ出も    桑田青虎
  がまずみの紅深みゆく日を重ね     井出あや子
  がまずみの実に吸い込まれゆく夕日   長山あや
コメント
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