おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

石榴(ザクロ)。萩のトンネル。芭蕉句碑。ビヨウヤナギ。「長恨歌」。向島百花園。その4。

2021-06-18 22:08:28 | 向島百花園

              石榴(ザクロ)。

        

サツキ。そろそろ時期も終わり?

   

      スカイツリー。 

サルスベリ(百日紅)。 

藤棚。

      みつばあけび。

萩のトンネル。

          

秋になると(「墨田区」HPより)

夏の七草。

           

カシワ。

さて、そろそろ退出しますか。最後は句碑で。

     芭蕉句碑。   

        春もやゝ けしきととのふ 月と梅

入口広場の「ビヨウヤナギ」。

中国原産。約300年前に日本に渡来した。半常緑性の小低木で、よく栽培されている。花期は5-7月頃で、直径5センチ程度の黄色の5枚の花弁のある花を咲かせる。枝先がやや垂れ下がり葉がヤナギに似ているので、ビヨウヤナギと呼ばれるが、ヤナギの仲間ではない。中国では金糸桃と呼ばれている。ビヨウヤナギに未央柳を当てるのは日本の通称名。由来は、白居易の「長恨歌」に玄宗皇帝楊貴妃と過ごした地を訪れて、太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだ一節があり、美しい花と柳に似た葉を持つ木を、この故事になぞらえて未央柳と呼ぶようになったといわれている。(「Wikipedia」より)

長恨歌 白居易

前半:漢の王(実は唐の玄宗皇帝)は楊家の娘を手に入れた。それ以来、王は彼女にのめりこんで政治を忘れたばかりでなく、その縁者を次々と高位に取り上げる。そのため、安禄山の乱が起き、首都長安を脱出した玄宗皇帝の一行は、蜀の地(四川省)に難を逃れる。途中、長安の西・馬嵬駅で兵士たちの不満が爆発し、楊貴妃を殺すはめに。

そして2年後。乱はおさまり、首都長安は奪還され、玄宗一行は、ふたたび長安に戻ってくる。

帰来池苑皆依旧
太液芙蓉未央柳
芙蓉如面柳如眉
対此如何不涙垂
春風桃李花開夜
秋雨梧桐葉落時
西宮南苑多秋草
宮葉満階紅不掃

・・・

《書き下し文》

帰り来たれば 池苑 皆旧に依る
太液の芙蓉 未央の柳
芙蓉は面の如く 柳は眉の如し
此に対して 如何ぞ涙の垂れざらん
春風桃李 花開く夜
秋雨梧桐 葉落つる時
西宮南苑 秋草多く
宮葉階に満ちて 紅掃はず

梨園の弟子 白髪新たに
椒房の阿監 青娥老いたり
夕殿蛍飛んで 思ひ悄然
孤灯挑げ尽くすも 未だ眠りを成さず
遅遅たる鐘鼓 初めて長き夜
耿耿たる星河 曙けんと欲するの天
鴛鴦の瓦冷ややかにして 霜華重く
翡翠の衾寒くして 誰と共にせん

悠悠たる生死 別れて年を経たり
魂魄曾て来たりて 夢にも入らず
臨邛の道士 鴻都の客
能く精誠を以て 魂魄を致す
君王展転の思ひに感ずるが為に
遂に方士をして 殷勤に覓めしむ
空を排し気を馭して 奔ること電の如く
天に昇り地に入り 之を求むること遍し

上は碧落を窮め 下は黄泉
両処茫茫として 皆見へず
忽ち聞く 海上に仙山有りと
山は虚無縹緲の間に在り
楼閣玲瓏として 五雲起こり
其の中綽約として 仙子多し
中に一人有り 字は太真
雪膚花貌 参差として是なり

金闕の西廂に 玉扃を叩き
転じて小玉をして 双成に報ぜしむ
聞道くならく漢家天子の使ひなりと
九華の帳裏 夢魂驚く
衣を攬り枕を推して 起ちて徘徊す
珠箔銀屛邐迤として開く
雲鬢半ば偏りて 新たに睡りより覚め
花冠整へず 堂を下り来たる

風は仙袂を吹ひて 飄颻として挙がり
猶ほ霓裳羽衣の舞に似たり
玉容寂寞 涙闌干
梨花一枝 春雨を帯ぶ
情を含み睇を凝らして 君王に謝す
一別音容 両つながら渺茫たり
昭陽殿裏 恩愛絶え
蓬萊宮中 日月長し

頭を迴らして 下人寰の処を望めば
長安を見ずして 塵霧を見る
唯だ旧物を将て 深情を表さんと
鈿合金釵 寄せ将ち去らしむ
釵は一股を留め 合は一扇
釵は黄金を擘き 合は鈿を分かつ
但だ心をして金鈿の堅きに似せしめば
天上人間 会ず相見えんと

別れに臨んで殷勤に 重ねて詞を寄す
詞中に誓ひ有り 両心のみ知る
七月七日 長生殿
夜半人無く 私語の時
天に在りて願はくは 比翼の鳥と作り
地に在りて願はくは 連理の枝と為らんと
天は長く地は久しきも 時有りて尽きるとも
此の恨み綿綿として 絶ゆる期無からん

高校の漢文の教科書には必ず掲載されている有名な漢詩。懐かしい教材です。

「天に在りて願はくは比翼の鳥と作り 地に在りて願はくは連理の枝と為らんと 天は長く地は久しきも 時有りて尽きるとも、此の恨み綿綿として 絶ゆる期無からん」という末尾の詩句は、今でもふと口に出てきます。

・・・

春夏秋冬、それぞれに百花繚乱を味わえる「向島百花園」でした。


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