イタリア旅行した際、ジプシーの子供たちが、自分の身の周りを囲むように寄り付いて、ポケットの中に手を突っ込んできたり、お金を無心される体験をしたことがあります。
「アイム ノ ハポネ。 アイム シーナ」・・・使った言葉です。
どうも、親が子供たちに命じて、当時の豊かな日本人観光客を狙ったスリ、窃盗の集団のようなものでした。
今のイタリアは、どうなのかな?
逆に、豊かな中国人観光客が、狙われているのかもしれません。
カンヌ国際映画祭最高賞受賞作「万引き家族」を観て参りました。
イタリアの名画「自転車泥棒」のような貧困生活の中での親子愛のような先入観を持って観ました。
・・・よい意味で、裏切られました。
年寄りの年金を目当にして、生活必需品をも万引きして暮らす日本の貧困家庭を、とても巧く描いていました。
豊かな日本社会よりも、現実の日本は、どんどんと貧困社会に進んでいるのかもしれません。
ちょうど、東京目黒での虐待死した五歳女児の残したノートに「ゆるしてください おねがいします」という悲惨な現実のニュース。
この映画に登場する5歳児の女の子に、イメージが覆い被さぶります。
人間の絆とは、何?
「体のつながり。心のつながり。お金のつながり」
「捨てたんじゃないよ。拾ったんだよ」
まさしく、「万引き家族」は、「家族の絆」というものを盗んだのでしょう。
・・・奥深い含蓄のある善い映画でした。
あなたの絆、つながりは何ですか?