無意識日記
宇多田光 word:i_
 



アメリカ合衆国、という国に対する感情は複雑である。なぜなら、そんな国はないからだ。

…と言い切ると少し過激かもしれないが、あそこに国境以外で何かちゃんと他国と区切れる何かってあるんだろうか。日本には日本語がある。アメリカには英語があるのか? それをアイデンティティにするような"国"か? そんなものはない、と言い切ってしまった方がすっきりするよ。

ちょっとそれでは話が難しいな。キャッチーな切り口で行こう。何故あの国は黒人差別が激しいか。理由は劣等感だ。本気で勝負したら、スポーツだって音楽だってかなわない。それがわかってるのにわかってないフリをするから、しているうちに、差別だけが残った。

我々の領域で行こう。アメリカで生まれたポピュラーミュージックの殆どが黒人発祥だ。ブルーズとジャズにはじまり、リズム&ブルーズ、R&B/SOUL、ロックンロールと悉く黒人音楽である。ラップ/ヒップホップもだ。

なぜ「ブリティッシュ・インベイジョン」なるものが成立したか。エリック・クラプトンに代表されるように、英国人は黒人に対する尊敬や憧憬を隠さない。コンプレックスに自覚的だ。だから、50年代にチャック・ベリーをはじめとした黒人ロックンローラーたちの価値は、当時の米国人にではなく、60年代の英国人によって認知され広められた。ザ・ローリング・ストーンズのデビュー曲は、前にも言ったようにチャック・ベリーのカバーである。

米国の白人たちが、好き嫌い合わせてロックンロールを"受け入れた"のは、白人であるエルビス・プレスリーの影響が大きい。テレビを観てる人たちにとって、音楽的なオリジネイターの1人であるチャック・ベリーよりプレスリーの方が遥かに知名度が高いのは、アメリカの白人たちが"そう"したからである。断言してしまった。

米国が60年代以降しばしば「ブリティッシュ・インベイジョン」に熱狂するのは、母国英国の威光を借りなければ黒人音楽を素直に受け入れられなかったからである。英国からの影響、という事であれば、宗主国だ、仕方ない、となる。あんなゴミゴミした黒んぼたちに憧れてなるものか、と。そうして楽器をとって過激な事を歌うのがあののどかなカントリー・ミュージックなのだから、ほんとに変な、困った国である。

よいものはよい。心の底では抗えないくせに、その不安を払拭する為に黒人を差別する。音楽を例にとったが、他の分野ではどうだろうか。そんなよーちえんじみたいな理由で信じられないくらいの人数の血が無駄に流れているのだから全く笑えないが、アメリカは若い国だ。身体ばかり大きくなって大人より力が強かったりするがまだまだ何も知らない不安だらけのガキンチョなんですよ、あの国は。

『Animato』では、そのブリティッシュ・インベイジョンの代表格であるレッド・ツェッペリンとクイーン(のフレディー・マーキュリー)とともに、"黒人からロックンロールの手柄を奪った"エルビス・プレスリーの名前も挙がる。シャワーの時に口遊むそうだが、アジアンからみてエルビスって何なのだろう。1人のエンターテイナー・スーパー・スターとしての価値に文句を挟むつもりはないが、黒人のやってる音楽(ロックンロール)をやってみただけの、"珍しく素直なアメリカ人"である彼は、Hikaruの目にどう映っているのだろう。

こちらは"チャックベリー万歳!"な人間なので、極端な話彼が黒人であることなんか全く眼中にない。「若い頃のいかりや長介に似てるなー」とかそんなことしか考えない。なので、人種や国籍を話題にする事自体興味がない。この日記でも、国籍の話題といえば「ヒカルの手続きどうなってんだろ?」という事務的な煩雑さに対する愚痴だけだ。要するに「究極的にはそんなもの要らないんだから」としか思っていないのだ。で、珍しく今回人種の話をしてみたが、やっぱり不毛だなとしか思えなかった。チャックもエルビスもそれぞれに素晴らしいエンターテイナーで、今でも名曲の数々で私を、我々を楽しませてくれている。それで彼らについての情報は十分だ。平和に貢献してくれた偉人たちの肌の色に文句があるだなんて、要するに暇なんだろうな。ますます、おまぃらの暇を奪うようないい歌を一曲でも多くという気持ちになったわ。暇が悪い。その真実に変わりはないぜ。

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