わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土5 (収縮2、陶尺)

2010-02-02 22:32:21 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、粘土の収縮について、述べます。

3) 陶尺(とうじゃく)の作り方

   陶尺とは、作品を作る際、どの位大きくしたら良いかを、測る物差しです。

   この物差しがあれば、作る際の大きさが、解かります。

   この物差しの目盛り通りに、すれば本焼き後に、必要な寸法に、出来上がります。

  作り方を、説明します。

 ① 収縮率を求める為に、試験板を焼きます。

  ) 使用したい粘土で、幅3cm、長さ25cm、厚さ5~8mmの平たい板(タタラ)を作ります。

     その板に、正確に20cmの間隔で、二箇所に、細い線で、印をつけます。

  ) 本焼き(必ずしも素焼は、必要ない)後、この20cmが、どの位縮んだかを、測ります。

  ) 収縮率 =(最初の長さー焼成後の長さ)/最初の長さ*100 と成ります。

     即ち、焼成後17.5cmならば、(20-17.5)/20*100=12.5%と成ります。

 ② このデータを元に、陶尺を作ります。

   )  直角三角形を、紙に描く、

     20cm の直線を、真横に引き、両端を点A,点Bとします。

     点Aより、直角(90度)に垂線を伸ばします。点Bより、60度の角度で、線を引き、交点を、

     点Oとします。

   ) その三角計の中に、20cmの線と平行に、17.5cmの線を引き、相似形を作ります。

     その17.5cmの線上に、1cm(又は5mm)間隔で、目盛りを付けます。

   ) この目盛りと、点Oを結び、20cmの線まで、線を伸ばします。

   ) この20cm上の目盛りを、定規にしたい板に、書き写し、1から、番号を振ります。

     (目盛りの間隔は、1cmの、12.5%増に、成っているはずです。)

     長い定規は、この目盛りを、等間隔で、刻んで伸ばします。

     1cm間隔では、目が粗い場合、5mm、2mm 間隔などで、目盛りを付けます。

   ) この定規を当てた、目盛りが、本焼き後の、寸法と成ります。

     (図で表せれば、より理解頂けると思いますが、私には出来ませんので、ご了承ください。)

理想的には、粘土の種類毎に、陶尺を作りますが、大抵の場合、1種類有れば、間に合うと思います。

 ・ 尚 作品の大きさの、誤差を、1mm以内に収める事は、手作業(轆轤も含む)では、熟練者以外は、

  殆ど不可能と、思われます。

  しかし2mmの誤差は、2個を並べて、比較すれば、差は一目瞭然で、直ぐに解かります。

 ・ 数物(複数個)を作る場合、径や、高さの誤差は、0~2mm(理想的には、1.5mm)以内に、

   収めたい物です。

  尚、削り作業によって、ある程度、大きさを揃える事も、可能な場合も有ります。

以下次回に続きます。
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