まちや小(ぐわあー)

その先を曲がったら何があるのだろう、どきどきしながら歩く。そして曲がってみて気がついたこと・感じたことを書く。

安倍チャン放送局

2015年06月12日 | Weblog

名前を変えれば!

『集団的自衛権閣議決定 NHKの放送時間は政府側の言動に偏重

NHKは、5月30日、中谷元・防衛相がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で南沙諸島の埋め立てなど海洋進出を活発化させている中国を批判する演説を行ない、カーター米国防長官が同調したことを時間をかけて報じ、「政府の進める安保法制を実現することが重要」と印象づけた。

しかし、同会議の基調演説では、開催国であるシンガポールのリー・シェンロン首相が「日中韓は戦争の過去を乗り越える必要がある」と厳しい注文をつけ、特に日本に対しては「過去の過ちを認識し、国民は右翼学者や政治家の極端な歴史解釈を拒否すべき」「慰安婦や南京事件に対する態度がはっきりしない」などと述べた。

そうしたアジア諸国の安倍政権への批判的な見方もしっかり伝えてこそ不偏不党の報道姿勢のはずだが、NHKは政権に都合の悪い話を完全に無視したのである。

NHK報道の偏向を計量的に分析した人物がいる。元NHKディレクターの戸崎賢二氏は昨年7月に政府が集団的自衛権行使を閣議決定するまでの『ニュースウオッチ9』を分析し、首相や政府側の言動が放送時間(167分)の約7割を占め、反対派の市民や識者の言動はわずか77秒しか報じられなかったと指摘した。戸崎氏が語る。

「今のNHKは安倍首相の失点になる報道はカットする傾向が一段と強まっている。ヤジ問題以外にも、首相は共産党との党首討論でポツダム宣言について質問され、『つまびらかに読んではおりません』と答弁した。日本のリーダーが戦争責任を語るときにポツダム宣言をよく読んでいないというのは相当な問題発言だが、当日の『ニュースウオッチ9』ではそれも取り上げなかった」

週刊ポスト2015年6月19日号』

※「自民党放送局」とか!


実名出版

2015年06月12日 | Weblog

確かに。

『「元少年A」手記は「匿名」でいいのか 小倉智昭「実名出版するぐらいの責任はあってしかるべき」

J-CASTニュース / 2015年6月12日 11時40分

手記は「元少年A」の名前で出版された

出版の是非が問われている、神戸連続児童殺傷事件を起こした「元少年A」(32)の手記「絶歌」(太田出版)について、キャスターの小倉智昭氏が、「実名で書けばいいじゃないですか」と出演番組で問題提起した。

手記をめぐっては遺族が出版中止を訴える中、実名出版をするべきだったのか、新たな議論を呼びそうだ。

紀藤弁護士「もう匿名は許されないのではないか?」

小倉氏は2015年6月12日に出演した「とくダネ!」(フジテレビ系)で、元少年Aについて、「いま30歳過ぎている訳でしょ?自分の責任で本を書くのであれば、実名で書けばいいじゃないですか。そのぐらいの責任はあってしかるべきじゃないですか」と指摘した。

同様の指摘は弁護士の紀藤正樹氏もしている。「もう匿名は許されないのではないか?」と題した6月11日のブログで、

「自ら本を出す以上、少年時代の犯罪という点で、将来の更生のために与えられてきた『少年A』という『匿名』特権も許されることはないでしょう」と書いた。元少年Aの実名は、読者である国民にとって「知る権利」の対象になりうるとして、「それが『表現の自由』の『自己責任』の帰結」と述べた。さらに、「自ら匿名で『更生』の機会を得る権利を放棄したのも同様というほかありません」と主張した。

・こうした意見はツイッターなどネット上にも広がっていて、

「少年法では保護されてない年齢なんだから、今更匿名で何言ってんだ」
「『どのようなご批判も甘んじて受ける覚悟です』というのが本心なら元少年Aではなく実名で書くべきだったのでは」
「ノンフィクションというなら少年Aではなく実名で出してこいと思う」といった書き込みがあった。

・元少年Aに損害賠償の請求の可能性も

元少年Aは「絶歌」の中で遺族への謝罪を書いてはいる。しかし自身を「あまりにも身勝手すぎると思います」と断り、「本を書けば、皆様をさらに傷つけ苦しめることになってしまう。それをわかっていながら、どうしても、どうしても、書かずにいられませんでした」とつづっている。

遺族に対し、元少年Aや太田出版から出版前の事前連絡はなかった。殺害された土師淳君(当時11)の父、守さんは、「以前から彼がメディアに出すようなことはしてほしくないと伝えていましたが、私たちの思いは完全に無視されてしまいました。何故、このような更に私たちを苦しめることをしようとするのか全く理解できません」とするコメントを発表。直ちに出版を中止するよう求めている。

6月12日の「とくダネ!」でコメントを寄せた山田秀雄弁護士によると、事件を思い出させることで遺族に精神的苦痛を与えるとし、元少年Aへの損害賠償請求が起こり得る場合があると指摘している。』

※「書いた」責任を負え!


無期懲役

2015年06月12日 | Weblog

そこに「税金」が

『<柏連続通り魔>判決に拍手「また殺人できる」 竹井被告に無期懲役 千葉地裁

ちばとぴ by 千葉日報 6月12日(金)15時1分配信

千葉県柏市の路上で昨年3月、2人が死傷した連続通り魔事件で、強盗殺人や強盗致傷などの罪に問われた無職、竹井聖寿被告(25)の裁判員裁判の判決公判が12日、千葉地裁であり、小森田恵樹裁判長は「強固な殺意に基づく残虐な犯行」として求刑通り無期懲役を言い渡した。

公判で事実関係に争いはなく、竹井被告に精神疾患があったかどうかの判断が焦点になった。小森田裁判長は「高い信用性がある」などとして、精神疾患に罹患(りかん)していないとする検察側証人の証言を採用。「動機は生活費欲しさで身勝手」と指弾した。

判決によると、竹井被告は昨年3月3日深夜、柏市内の市道で、近くに住む会社員、池間博也さん=当時(31)=をナイフで刺殺し、現金約1万数千円が入ったバッグを強奪。さらに、池間さん襲撃の前後に男性3人を襲って現金約3千円や車を奪い、うち1人の手に切り傷を負わせた。

弁護側は「精神疾患の影響による妄想が犯行に駆り立てた。善悪を判断する能力が減退していた」などと述べ、懲役25年が相当としていた。

竹井被告はこの日、腕の入れ墨を露出させたタンクトップ姿で歌を歌いながら入廷。裁判長から「静かにしなさい」とたしなめられた。判決の主文言い渡し後にも拍手し、「これでまた殺人ができる」と発言するなど不可解な言動を続けた。』

※その費用は自分で稼げ!


ドランカー

2015年06月12日 | Weblog

間違いなく。

『スマホ中毒50代男性 「会話はLINEで」と妻にメッセージ送る

N日本国中、老若男女がスマートフォンを操っている現代。スマホなしでは生きていけないという人も多いが、なかには「スマホ中毒」と呼ぶべき状態に陥っている人もいるようだ。大阪府に住むパート勤務の女性Fさん(51才)は、警備会社に務める夫(52才)

日本国中、老若男女がスマートフォンを操っている現代。スマホなしでは生きていけないという人も多いが、なかには「スマホ中毒」と呼ぶべき状態に陥っている人もいるようだ。大阪府に住むパート勤務の女性Fさん(51才)は、警備会社に務める夫(52才)と2人の息子と4人暮らし。この夫がかなりのスマホ中毒だという…。

「携帯なんて、通話さえできたらいいんだよ」と、10年以上使っていたガラケーがとうとう壊れて、スマホデビューを果たした夫。

どうせ通話くらいしか使わないだろうと思っていたんだけど誤算だったわね。朝起きたら、すぐに枕元のスマホに手を伸ばし、食事中も左手でスマホをいじり、トイレの中まで。

そのうち、話しかけても顔はスマホを見たままで、「ああ、そうだな」とか「おお」とか。この前は「お風呂、入ってよ」と言ったのに「うん、それでいいんじゃないか」って言うから「いい加減にしてっ!」と、テーブルをドンと叩いたわよ。

すると5秒後に私のスマホが鳴り、何かと思えば夫からLINEで「ごめんね」とぺこりと謝っているスタンプに続き、半分開いたドアからそっと覗き込んでいるスタンプが。

「あのさ~」と怒るとまたまた着信音で、「会話はLINEでお願いします」と、おじぎしているスタンプが。

ガラケーなら間違いなく半分にへし折ってたけど、スマホじゃそれもできやしない!

女性セブン2015年6月25日号』

※そこまでのめり込むものなのか?


安保法案反対

2015年06月12日 | Weblog

「OB」では。

『山崎拓・元自民幹事長ら4人、安保法案に反対表明

朝日新聞デジタル 6月12日(金)13時37分配信

自民党で幹事長や閣僚を歴任した山崎拓・元党副総裁(78)を含む元衆院議員ら4人が12日、日本記者クラブで会見を開き、衆院で審議中の安全保障関連法案に、「憲法解釈を一内閣の恣意(しい)によって変更することは認めがたい」などとして反対を表明した。

出席したのは山崎氏と、自民党時代に政調会長を務めた亀井静香・衆院議員(78)=無所属=、元新党さきがけ代表の武村正義氏(80)、元民主党幹事長の藤井裕久氏(82)の計4人。いずれも戦前生まれ。武村氏、藤井氏もかつて自民に所属していた。

山崎氏は改憲派として知られ、防衛庁長官や党安全保障調査会長などを歴任した防衛族。小泉政権下では自衛隊海外派遣に関わった経験を持つ。「不戦国家から軍事力行使国家へとの大転換を意味し、国策を大きく誤る」などとする声明を発表した。

亀井氏は会見で、「日本が戦争に負けて以来、いま最大の危機にある。我々がじじいだからといって、黙っているわけにはいかない」と述べた。』

※どれだけの「影響力」があるのか?


言論弾圧

2015年06月12日 | Weblog

これはひどい。

『菅長官 漏れた年金報道に難くせ「年金そのもの漏れていない」

日本年金機構から約125万件の個人情報が流出した「漏れた年金」問題で、菅義偉官房長官がまた“報道介入”だ。

菅長官は11日の会見で、メディアが「漏れた年金」と報じていることに対し、「年金そのものは漏れていない。『漏れた年金』という表現は国民に無用な不安や誤解を与えかねない」などと批判。メディアに自粛を求めたのだ。

「漏れた年金情報」だったらOKなのか分からないが、メディアの表現に政権与党の幹部がイチャモンをつけるなんて前代未聞だ。ロコツな「言論弾圧」と言っていい。

菅長官といえば、3月にテレ朝の報道ステーションに出演した元官僚の古賀茂明氏が番組で「政府から圧力があった」と発言したことに激怒し、「公共の電波を使った報道として極めて不適切だ」と言い放った“前科”がある。どうやら、この男の頭の中には「言論・表現の自由」なんて言葉は全くないらしい。

※そこまで言うか!


自己救済

2015年06月12日 | Weblog

謝罪は形だけ。

『“自己救済”で手記出版 「酒鬼薔薇聖斗」の大人げない執筆動機

巻末では無断で本を出したことを被害者の遺族に謝罪し、〈自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの「生きる道」でした〉と出版の動機を語っている。

出版元の太田出版によると、本の企画は3月に始まったという。

「彼(少年A)と会って原稿を見せてもらい、文章力の高さに感心させられました。この3年間、仕事もせずに原稿執筆に没頭していたそうです。殺害の描写が少ないのは遺族への配慮もあるでしょうが、自分がなぜ罪を犯したかを書きたかったようです。初版は10万部で、人を介してご遺族にも献本しました。数字は明かせませんが、印税は10%ではありません。本人が経済的なつぐないをしたいと言っていたので、印税の一部をご遺族に渡すことも考えられます」(担当編集者の落合美砂氏)

ただし、淳君の父親は10日、「(今回の出版は)私たちの思いを踏みにじるもの。文字だけの謝罪であり、遺族に対して悪いことをしたという気持ちがない」と批判した。

1969年に横浜市で起きた高校生の頭部切断事件を取材したノンフィクション作家・奥野修司氏が言う。

「遺族の承諾を得ず、『自己救済』のために書いたのは身勝手な行動と言わざるを得ません。Aは毎年、被害者の命日に遺族に手紙を出しているそうですが、本来なら月命日に毎回送るべきでしょう。そうした努力の積み重ねで遺族の理解を得たならともかく、自分が救われたいので書いたのでは遺族が納得するはずがない。事件から18年、遺族の心の傷が癒えかけたところに本を出すのは“第2の殺傷事件”ともいうべき行為です」

99年に少年の親が「『少年A』この子を生んで……」を出版したときは印税をすべて遺族に払い、その額は7000万円ともいわれた。手記で現在「赤マル」を吸っていることを明かしたAは、紫煙をくゆらせながら、印税の使い道をどう思案しているのだろうか。 』

※「自分の生活のため」というなら、最低!


自己陶酔

2015年06月12日 | Weblog

と云い訳。

『【神戸連続児童殺傷事件】少年Aが「手記」出版に賛否「心の拠り所はユーミンとおばあちゃん」

DMMニュース / 2015年6月11日 6時50分

1999年6月、当時小学6年生の男児が殺害され、切断された首が中学校の校門に置かれるという猟奇的な事件が起きた。事件発覚後、神戸新聞に『酒鬼薔薇聖斗』を名乗る犯人から声明文を送りつけられるや、連日のように事件をマスコミが取り上げ続けた。逮捕されたのは、当時14歳の少年。衝撃が駆け抜けたことは言うまでもない。

2004年、少年が服役を終えるとその行方をマスコミは必死になって探し回っていた。

「東京・町田の町工場で働いている」、「東北の日雇いで働いている」など、様々な憶測が都市伝説のように飛び交った。

「実際、少年Aは名前を何度も変え、全国各地を転々としていたようです」とは事件を老い続けた全国紙社会部記者の話だ。

そんな少年A本人の手によって、生い立ちから、事件、事件後の生活を記した手記『絶歌 ~神戸連続児童殺傷事件~』(太田出版)が出版され、話題騒然となっている。

出版中止を求める被害者遺族

出版されるや、殺害された土師淳君の父親が怒りを露わにした。

「彼がメディアに出すようなことはしてほしくないと伝えていましたが、私たちの思いは完全に無視されました。何故、このように更に私たちを苦しめることをしようとするのか、全く理解できません。遺族に対して悪いことをしたという気持ちがないことが、今回の件で良く理解できました」

胸中をこのように語った父親は、出版の中止と本の回収を求めている。被害者遺族としては当然の心情だろう。

少年Aはなぜ、今になって手記を出版するなどという行動に出たのだろうか。そこには何が記されているのか。この出版にどんな意義があるのか。手に取ってみた。

白い表紙に黒い文字だけのシンプルだが人目をひく表紙をめくると、一番最初に目に飛び込んできたのは、少年Aにとって最愛だった祖母と二人で写る写真だ。やんちゃで、友人も多かった少年A。最愛のおばあさんから愛されていた幸せな幼少期だったと記している。撮影日は1986年6月22日。

だが最愛の祖母が亡くなると、少年Aは喪失感を埋めるように遺影を見つめるようになった。そして祖母が生前愛用していた電気按摩器を触っている時、偶然股間に。そこで人生初めての射精を経験してしまう。死と性とが彼の中でつながってしまった瞬間だった。

それからは、なめくじやカエルを解体したり、猫などの小動物にも次々と手をかけ、「生命を奪うこと=性の高ぶり」へと変化していった。

<祖母の死から八か月。僕は奈落の底へ続く坂道を、猛スピードで転がり落ちていた。>(一部抜粋)と表現している。

その後も友人や年下の子供に暴力をふるう自分を止められなくなっていく焦燥感。そんな彼を慰めていたのは、事件現場となったタンク山や池、そしてエンドレスリピートで聞き続けたユーミンの『砂の惑星』だった。

事件当時の知られざる行動や、服役中の様子に加え、その後少年が自分の犯してしまった罪にさいなまれながら過ごす日々。巻き込んでしまった家族への想いが、独特の言い回しで書かれている。

少年Aにしか知り得ない事件の真実がここにあり、猟奇殺人を犯した者の告白本として見れば、そうはない証言集と見る事もできるかもしれない。ただ──後味の悪さは生半可なものではない。

版元の太田出版は同著に少年の手紙を添え、遺族に送るとしているが、それは誰のための行為なのか。我々は考える必要がある。』

※で、売れればいいという出版社。


相撲の衰退

2015年06月12日 | Weblog

こんなじゃ。

『大鵬連勝止めた誤審きっかけで大相撲はビデオ判定を採用した

「ビデオなんてものは参考にならない。土俵は丸く、角度も高さもある。カメラでは到底正確に相撲を捉えることはできない」

「大鵬が負けて喜んでいるファンもいるだろうし、相撲は複雑だと思い、かえって興味をそそられる人もいるんじゃないか」

当時の武蔵川理事長(元前頭・出羽ノ花)はそう強気のコメントを出したが、客足は急速に遠のき、4日目には3000人を割った。しかも、大鵬は急性肺炎のために5日目から休場し、人気急上昇中だった新鋭の花田(後の大関・貴ノ花)も急性上気道炎で場所中に2回も途中休場した。

そうした事態に協会は慌て、武蔵川理事長は急遽9日目に、「夏場所(5月場所)からビデオを勝負判定の参考にする」と発表した。ビデオの採用は、実は日本のスポーツ界では大相撲が最も早かったが、それを促したのがこの歴史的誤審だったのである。

週刊ポスト2015年6月19日号』

※「国技」と云っても上位陣は外国人ばかりになるわけだ。


禁煙運動

2015年06月12日 | Weblog

これ、おばか!

『受動喫煙防止策「五輪開催に乗じた禁煙運動は逆効果」の声も

2020年に開催される東京オリンピックに向け、国や企業でインバウンド(訪日外国人)政策が着々と進んでいる。東京流の「おもてなし」を世界中にアピールできる絶好のチャンスといえるが、そんな一大イベントに乗じて規制を強めようとしているのが、たばこ対策である。

「理念的に妥協の許さない議論だったので、大変に厄介な問題でした。対立が先鋭であるような場において意見を取りまとめようとすれば、“不満足を均衡させる”以外の手はないのです」

こう疲れ切った表情を見せたのは、昨秋より東京都が月1回のペースで開いてきた「受動喫煙防止対策検討会」で座長を務めた安念潤司氏(中央大学大学院法務研究科教授)だ。

本来であれば会合は3月に行われた第5回で一定の方向性を決め、提言をまとめる予定だった。しかし、公共スペースや飲食店などの完全禁煙、それも罰則付きの条例を定めるよう強く求めた“禁煙派”の医師らと、マナー啓発や分煙化を進めたほうが実効力も高いとした“分煙派”の主張が噛み合わず、年度をまたいで5月末に「延長戦」が行われたのである。

結局、安念座長は双方の不満を軽減させるために、罰則つきの法整備に慎重な構えを貫きつつも、「2018年までに条例化について検討すること」と提言に入れ、国に対しても全国統一的な法律での規制を働きかけた。

「議論を先延ばししただけで、玉虫色の結論だ!」――委員の医師からはこんな捨てセリフも聞こえてきたが、そもそもこの会合は初めから紛糾するのは目に見えていた。受動喫煙対策を話し合う以前に、医師らがたばこの有害性を挙げ、「分煙対策なんて無意味、禁煙にすればいいだけ」と極論を展開し続けていたからだ。

委員の一人で、もともと3月末までという任期の延長を辞退していたため、6回目の検討会を欠席した獨協医科大学付属病院の名取春彦医師(放射線科)はいう。

「たばこの健康への影響はまだまだ分からないことばかりだと言ったほうがよいと思います。にもかかわらず、『たばこは人体に有害であるだけなのか』、それとも『何らかのメリットがあるのか』の議論を始めると、嫌煙論者と容認論者の主張が合意に至ることはありません。たばこ有害論から出発する受動喫煙対策には無理があるのです。

私の発言は無視されましたが、検討会で話すべきだったのは喫煙者の自覚とマナーの確立で、そのための規制はマイナスです。たばこが合法的に存在する限り、東京オリンピックでもたばこを吸わない人だけを歓迎するわけにはいかないのですから」

だが、“禁煙五輪”を目指す動きは、東京都の有識者会合で繰り広げられた「水掛け論」や反省材料が活かされることもなく、その後も続いた。

厚生労働省が6月1日に都内のホールで開催した「がんサミット」。がん治療の最前線や緩和ケアの充実、患者の就労問題など幅広い分野でがん対策の現状が報告されたのだが、その中で『2020年、スモークフリーの国を目指して』と題したトークプログラムが組み込まれた。

招かれたのは、女子マラソンのオリンピックメダリスト、有森裕子氏とマラソン指導者の小出義雄氏。現役時代の有森氏に強く勧められてヘビースモーカーだった小出氏が禁煙に成功したという話が展開されたのだが、驚くべきはその開催経緯だ。

司会を務めた厚労省がん対策健康増進課の課長はこう説明した。

「5月31日はWHO(世界保健機関)が定めた『世界禁煙デー』で、日本も毎年この時期に禁煙週間を設けてイベントをやっていますが、(盛り上がりが)いまひとつなんです。そこで、この際、がんサミットの中で禁煙関係のイベントもやろうと考えました」

喫煙、がん、そしてオリンピックを結びつけて「禁煙」の機運を一層高めようという狙いがあったようだ。そして、最後に日本の喫煙率が政府目標まで下がらないこと、過去のオリンピック開催国が何らかの条例や法律をつくって受動喫煙防止対策の義務付けをしていることなどが報告されて終了した。

しかし、新聞などではあまり報じられていないが、有森氏は「喫煙者にはたばこをやめてほしい」と前置きしたうえで、こんなことも話していた。

「社会でいろいろなストレスを抱えている人に、やめろと言ったほうが体を悪くしてしまうかもしれません。私の知人女性にも喫煙者はいますが、周囲に迷惑をかけまいと吸い方のマナーは素晴らしく、尊敬すら覚えます。たばこをやめられない人はそれ以上にマナーやモラルを持ってほしいと思います」

前出の名取氏も「受動喫煙問題は、基本的に喫煙者のマナーの問題」と断言し、オリンピックに臨む東京の“あるべき姿勢”をこう説く。

「おもてなしは、たばこを吸う人にも吸わない人にも心地よいものでなければなりません。そのために必要なのは、一方的に加害者になりうる喫煙者が分煙ルールやマナーを守る自覚を持つことです。

かつてサッカーW杯ブラジル大会で、日本人サポーターが試合後自主的に清掃して世界を感動させたように、よいおもてなしは人々に感動を与え、世界を変えることもあります。

東京を訪れれば喫煙者は喫煙のマナーを学び、たばこを吸わない人も、“東京スタイル”の心地良さを知る――。そんな東京の魅力を世界に向けて発信できるチャンスがあります。自覚がなければマナーは生まれませんし、上からの強制はかえって反発を招くだけです」

すでに日本では健康増進法の施行により、屋内での分煙もしくは禁煙化が進んでいるだけでなく、東京23区内では屋外でも喫煙を規制する条例ができるなど、決して世界に劣らない喫煙ルールが醸成されている。

オリンピックという一時のイベントだけのためにこれ以上規制の網をかければ、日本を訪れる多くの外国人たちから普遍的な努力が称賛されるどころか、喫煙者に対する行き過ぎた人権侵害との批判も受けかねないのではないか。

※本筋が違う!