よみがえる力は、どこに

2012-07-09 15:17:09 | 日記

城山三郎著  新潮社刊

本書は三部構成になっている。第一部「よみがえる力は、どこに」、第二部「君のいない一日が、また始まる」、第三部「同い歳の戦友と語る」。
第一部は著者の様々な著書で読んでいるので、改めての感想はない。というか、同感しているので、歯軋りして今の各界の指導者を罵倒するしかない。第二部は「そうか、もう君はいないのか」の補遺で、他人事ではないな、という気持にさせられる。
第三部の吉村昭氏との対談では二つのことに気が付いた。ひとつはふたりとも、いわゆる文壇の人ではないんだな 、ということ。ただ、ひたすら自分のテーマを追い続けた作家なのだという印象を改めて感じだ次第。
二つ目は、昭和2年生まれというのは実に微妙な歳だと言うこと。徴兵検査を受け、海軍に入隊したもののわずか三ヶ月で終戦(城山)、他方は結核を二度やって徴兵検査は受けたものの、兵士を経験しないまま十日後に終戦(吉村)。そして、共通するのは戦争に対する考え方である。ここが、一番読み応えがあった、ここから先は書かないが、自分の思想・信念を貫くためにどれほど堅固な姿勢を取り続けなければならなかったか、それが二人の人生をどう形づくったか、それが痛いほど分かる。

 

 

 

 

 


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