強父論

2016-08-28 08:49:41 | 日記

阿川佐和子著  文藝春秋刊

良いタイトル。多分、この世代の人々が父親に持つ一般的な父親のイメージである。斯く言う私の持つ父親の印象も同じ。
それほど怖かった、と言うより、今思えば我儘で、勝手な男だった。とてもではないが、可愛いとは思えなかった。
私の父もも海軍出身だったが、教えられることは沢山あつた。たとえば、風呂に入る時、水は無駄に使うな、周りに飛び散った石鹸の泡はきれいに流せ、次に入る人が気持ちよく入れるように。当然だろう。軍艦に余分な水など無いし、燃料も余分に無いのだから。
そういうことは多々あったが、その次に飛んでくるのは拳骨。著者はそんな目には会わなかっただろうが……。男の子には正に強父(恐怖?)だつた。
急いで付け加えるが、勿論良いことも多々あった。今、曲がりながらにも父親であり、爺さまになっているのも一部そのお陰だろうからだ。
阿川佐和子さん、良かったですねぇ。

 

 

 

 


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