追記 有次 -包丁をつくる人、つかう人-

2013-04-18 08:30:06 | 日記

江 弘毅  『考える人』2013年春号  新潮社刊

和食、とくに京料理の世界ではこの有次(ありつぐ)の包丁は絶対的な権威を持っているそうだ。この特別寄稿は、その有次の製造過程を逐一レポートしたものである。
読むと素人の私でも欲しくなってしまう。しかし、この包丁は京料理の職人が何時かこの包丁を手にする一人前の職人になる、証しの至宝の包丁なのである。道具が先なのではない。面白いエピソードが紹介されている。「白衣が似合てきた頃、いつかは本焼きの包丁を使いたいと思う。まあ目標です。それでやってきてやっと買えた。まあその頃は、弟子が自分の仕事をやってて、研ぐだけでもう使えんことが多いですけど」。お分かりだろうか? それほどの包丁なのである。正に武士と刀の関係に似ている(実は、その通りなのである。本文参照)。
小林秀雄に気を執られていて、紹介するのを忘れていた。


コメントを投稿