宇宙の扉をノックする

2014-04-29 09:09:08 | 日記

リサ・ランドール著  NHK出版刊

やっと読み終わった。私にとってはこれはリベンジになる。前著『ワープする宇宙』で三回読んで、挫折した。というか、「5次元時空」という概念が掴み切れなかった苦い思いがあったからだ。
今回、それが氷解したかというと正直言って自信ない。しかし、前著よりはかなり分かり易く書かれているのは確か。という訳で何が分かったかと言うと、要するに宇宙に関しては過去も現状も、未来もまだ解明できてはいない、という事。しかし、かなりのところまでは分かりつつある、というのが現状らしい。
ただ、私が読んで良かったとおもうのは、例のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)についてである。あの山手線一周ほどもある地下に作られた実験施設、ついこの間ヒッグス粒子を見付けたあの施設である。どうして見付けたと言えるのか、それがどうしても分からなかった。本書はこれらについて丁寧に説明されているのが嬉しい。どういう設備で、どんな実験をして、その結果をどう理解するのか、それを詳しく説明している。というのも、探している粒子そのものが見付かる訳ではないのだ。ある事象が観測された場合、結果から逆に類推して、この粒子が存在していない限りこの現象は起こらない。従って、この粒子は存在していた、と結論するのだ。
まるで犯罪の科学捜査みたいの手法だ。この類推する根拠を与えているのが、数学、著者の専門分野ということになる。
ここだけ読んでも、これから発表されるだろうこの実験施設の結果を理解するには役立つ。
今回はここまで。正直言って、3カ月かかりましたよ。


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