マヨナラ -消えた天才物理学者を追う-

2013-07-18 09:10:19 | 日記

ジョアオ・マゲイジョ著   NHK出版刊

抜群に面白いサイエンス・フィクションである。これを同じ物理学者が書いたとは思えないくらい読ませる。
因みにジョアオ・マゲイジョは、『光速より速い光 -アインシュタインに挑む若き学者の物語-』(NHK出版・2003年)の著者。つい最近光速より速い光を観測したという報告がされ、しばらくして「計測器の誤作動だった」と訂正されたと、記憶しているが…。
さて、この物語の主人公エッカトーレ・マヨナラとは、ニュートリノの存在をそれが実測された1956年より25年も前に論証した物理学者である。それが今なお「最初に論証した学者として燦然と輝く名」でないのには、様々な原因があった。しかも、その理由たるや物理学の世界とはまるで異質なことに由来している(ココが読み所で、サスペンスのネタをバラすようで、詳細は書かない)。それにしても、「読ませる」。途中、厄介なニュートリノの解説があるが、それも含めて(というのも、結構わかり易く解説されているので)気にせず読める。

 


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