誰も知らなかったココ・シャネル

2012-09-24 08:37:09 | 日記

ハル・ヴォーン著  文藝春秋刊

さり気ないタイトルだが、腰巻に「ナチスのスパイだった!」とゴシックで書いてあるので、気を引く。
しかし、どうもよく分からないのは彼女がスパイになった動機である。修道院で反ユダヤ教育を受けたことが原因としているが、読んだ限りでは希薄なように思う。乱暴な言い方をすれば、彼女の男好きと有名人好き、それとファッションと香水で稼いだ莫大な資産を基にした華麗な人脈にナチスが目を付けたということらしい。どの程度スパイとして業績?を挙げたかは詳しくは書かれていない。
しかも、戦後スパイ容疑で法廷に立ったものの、その華麗な人脈の助けで無罪となる。しかし、彼女がスパイとしてナチスに登録されていたのは事実で、フランス、ドイツ、ソ連、イギリス、アメリカなどの機密解除文書で明らかにされている。
ココ・シャネルがナチスのスパイだった、という一点で読ませる本。


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