進化する魚型ロボットが僕らに教えてくれること

2013-11-19 14:49:52 | 日記

ジョン・H・ロング著   青土社刊

化石に残っている生物が生きている時、どう動き周っていたのか? 進化のプロセスをこの目で実際に見てみたい! と、思うのは生物学者に止まらない。私達だって、進化論をこの目で確かめたいと思うはずだ。
それにチャレンジしたのが、ロボット工学者の著者だ。もっとも原始的な生物ロボットにまず水中で泳がせる、それも自由自在に(著者の場合はオタマジャクシをモデルにしたロボットからスタート)。しかし、なにか足りない。柔軟性がないのだ。なにが必要か! それでも上手くいかない。そうだ。背骨だ。では、部品を改良して、取替えよう。この試行錯誤のプロセスが本書のテーマだ(著者の最終モデルはカジキマグロに似たロボット)。つまり、部品=遺伝形質→遺伝子。これまでとは、違う生物学のアプローチだ。
そこで、生物学は分からないけれど、ロボット制作ならばお任せ、という人達の出番だ。水中を自由に泳ぎまわる→手足ができる→地上で立ち上がる。進化論そのまま。但し、肺呼吸をするとか、受精するとかは無視して(しかし、捕食という機能は無視できませんが)。
発想がいい。しかし、ロボットの製作段階の解説はお手上げでした。唯、進化というのがとても複雑なことは十分理解したつもり。ロボット作成に興味のある人は、チャレンジしてみる価値がある。もしかすると、進化論の新しい一ページを創る事ができるかも……。