フィールズ賞で見る現代数学

2013-06-24 15:56:20 | 日記

本書は、数学を勉強し始めた人か、かつて数学に親しんだ人には恰好の本だと思う。素人には全く歯が立たない。
とは言うものの、多少とも数学や数物に興味を持っていた私には、辛うじてその一端は理解できた。そもそも数学学者には「定理の樹立」という夢?があるのだけれど、その一歩手前、あるいは二歩手前まで到達した人達が数多くいる(物理を初め、他の学問も事情は同じだが…)。そして、栄誉は最後に纏めた人間が手にするのだが。この経緯がドラマチックだ。
但し、その心算で読むと肩透かしを喰う。冒頭で書いたように、これを理解するには基本的素養が必要だ。なにしろ「数学のノーベル賞と言われる、フィールズ賞」を受賞した数学者の業績を概説した本なのだ(2006年まで)。それも文庫本でたった203頁(本文のみ)。凄い!!
唯、この本で日本人としてほっと!できるのは、この受賞者に三人、そして選考委員には九人日本人がいることだ。あとは、言うまい。