四十八人目の忠臣

2011-11-01 14:53:26 | 日記
諸田玲子著  毎日新聞社刊

タイトルにも腰巻にも、主人公を推測できるヒントはない。しかし、主人公が将軍家に近ずいた女性であることはわかる。著者か出版社の意図か分からないけれど、読み手に推測させたいらしい。というわけで、私も主人公の名前は敢えて書かないことにする。
討ち入り後を扱った小説は多いが、赤穂浪士の子弟や浅野家の再興を扱ったものは少ない。テーマは子供達の赦免、浅野家の再興に努力した女性達の物語である。
討ち入りまで経過、討ち入り、四十七士の切腹といつた場面は出て来ない。その意味では異色の小説。ただ、四十八人目の「忠臣」と言うのはどうだろう?些か、勇み足のような気もするけれど……。