「隣る人」という映画を観た。監督は刀川和也さん。小舎制の児童養護施設「光の子どもの家」は、5人の子どもと担当の保育士が一緒に暮らす複数の「家」がある。そこで暮らす子どもと職員の姿を8年間にわたり撮り続けたドキュメンタリー映画である。全編を通してナレーションも音楽もない。間に挿入された職員ミーティングでの話や、職員へのインタビューで子どもの背景や置かれた状況を伝えている。時系列に沿った編集ではなく時間も行きつ戻りつして描かれている。この映画には、何人もの子どもと職員の方達が登場しているが、登場人物では、「むっちゃん」と「まりなちゃん」と保育士の「まりこさん」が中心に撮られている。
監督は「何気ない日常」の中にこそ、こどもたちにとって極上の宝物といえるものが詰まっているという。自分のことをちゃんとみていてくれる存在が重要である。まりこさんはどんなあなたも好きと抱きしめる。子どもが担当保育士の布団にもぐりこんで、世界で一番いい匂いがするという場面もある。このようにかけがえのない存在がいることで、子どもたちは生きていく糧になる。一方、実親が施設で生活する子どもと再び一緒に暮らそうとするが、思うようにはいかない現実も撮っている。担当保育士がママと呼ばれるシーンがあり、まさに母親代わりをしているのであるが、複雑である。「隣る人」というのは、子どもの存在を丸ごと受け止める人という、施設の理念だそうである。そういう視点は重要であるし、今日求められていると思う。しかし、これは職員の献身的な努力や犠牲で成り立っていることも事実であり、一方で疲れ切って、バーンアウトする職員もいる現実もある。続けたくても疲れ切ってしまう人もいる。その辺は弱いと思う。そして、危惧するのは、日常にカメラが入ったら、非日常になる気がする。やはりカメラを意識せざるを得ない状況になるのではないかと思ってしまう。また、子どもや親の顔をそのまま出して、現状を撮ることは、その子たちの今後の親子関係や人生にとって、大丈夫なのかと不安も感じた。それだけ児童養護施設にカメラが入ることは難しいことである。このように気になるところはあったが、社会的養護や児童養護施設の現状には触れているし、家族や親子とは何か、人と人の関係はどうあったらよいかなどを探っているのも確かでしょう。
監督は「何気ない日常」の中にこそ、こどもたちにとって極上の宝物といえるものが詰まっているという。自分のことをちゃんとみていてくれる存在が重要である。まりこさんはどんなあなたも好きと抱きしめる。子どもが担当保育士の布団にもぐりこんで、世界で一番いい匂いがするという場面もある。このようにかけがえのない存在がいることで、子どもたちは生きていく糧になる。一方、実親が施設で生活する子どもと再び一緒に暮らそうとするが、思うようにはいかない現実も撮っている。担当保育士がママと呼ばれるシーンがあり、まさに母親代わりをしているのであるが、複雑である。「隣る人」というのは、子どもの存在を丸ごと受け止める人という、施設の理念だそうである。そういう視点は重要であるし、今日求められていると思う。しかし、これは職員の献身的な努力や犠牲で成り立っていることも事実であり、一方で疲れ切って、バーンアウトする職員もいる現実もある。続けたくても疲れ切ってしまう人もいる。その辺は弱いと思う。そして、危惧するのは、日常にカメラが入ったら、非日常になる気がする。やはりカメラを意識せざるを得ない状況になるのではないかと思ってしまう。また、子どもや親の顔をそのまま出して、現状を撮ることは、その子たちの今後の親子関係や人生にとって、大丈夫なのかと不安も感じた。それだけ児童養護施設にカメラが入ることは難しいことである。このように気になるところはあったが、社会的養護や児童養護施設の現状には触れているし、家族や親子とは何か、人と人の関係はどうあったらよいかなどを探っているのも確かでしょう。
確かに、「隣る人」というのは大事ですね。
しかし、実際には厳しい現実もあるので、その辺は今後の課題なんでしょうね。カメラが入るということはそのままを映せないので、何らかの意図が入ってしまうのは仕方がないのでしょう。何を訴えるかが大事なんでしょうね。