ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

海よりまだ深く

2016-05-23 21:37:26 | 映画
是枝監督の「海よりまだ深く」という映画を見てきた。
団地に一人住まいの母・淑子と、長男・良多、その元嫁・響子と11歳の息子・真悟の、家族をめぐるストーリー。それは“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった“元家族”を描いていく。この映画の舞台にでてくるのが、清瀬にある旭が丘団地である。是枝監督が9歳から28歳まで実際に住んでいた団地である。かって憧れの集合住宅として全国に建てられた団地が、老朽化と住人の高齢化といった問題を抱えるようになり、シャッター商店街も目立ち、建てた当初のイメージと異なる状況に直面している。是枝監督は、「なりたいものになれなかったのは団地も同じなんですよね」と話す。このような団地のたたずまいをなりたいものになれなかった登場人物たちのせつなさと重ね合わせているかのようである。実際に映画でも、そこで撮影されたということである。日常の風景を切り取っているが、なかなか含蓄のある言葉がでてきたり、それぞれの役者がうまく演技をしていて、見終わって、味わい深さを感じた。テレサテン「別れの予感」の音楽が流れた。
「教えて 悲しくなるその理由 あなたに触れていても 信じること それだけだから 海よりも まだ深く 空よりも まだ青く あなたをこれ以上 愛するなんて 私には出来ない」

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2 コメント

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Unknown (カモシカ)
2016-05-24 21:04:53
キャスティングがいいですね。夢見た未来と、少しちがう今を生きる大人というのは、思い描いていたなりたい大人になれた人より、ずっと多いのではないでしょうか。団地に重ねてテーマを描く、そんな映画だったのでしょうか。特別な舞台ではなく、日常の人生。平凡だけど実は奥深い・・・。
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Unknown (つばさ)
2016-05-25 21:34:44
確かにキャスティングは豪華ですね。8年ぐらい前に、団地巡りの一つとして、ここの旭が丘団地に行ったことがあって、なつかしく思いました。監督が実際に住んだことがあるというので、団地が前面に出ている印象で、何か意図があると思います。人生は思うようにいかなくても、それなりに楽しむことができるし、生きている実感を持つことがあるのでしょうね。
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