ジグザグ山歩き

山歩き、散歩、映画など日々、見たこと、聴いたこと、感じたことなどつれづれに。

いきるちから

2011-01-05 08:40:51 | 美術館、博物館
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今年の元旦は仕事で、泊り勤務であった。2日に明けで、キムタク主演の「ヤマト」を見た。相変わらずのキムタクで、なにをやっても許されて、ヒーロー扱いは変わらない。3日には休みで、チャップリンの「独裁者」をみて、午後は妻の実家への挨拶。4日は府中美術館に行き、現在開催されている「いきるちから」展を観る。このように正月は仕事も入っていたので、何となくのんびりもして、天気が良いのに、初登りは出来ていない。
「いきるちから」展は、木下晋の描く鉛筆画は迫力があった。描いているのは最後の瞽女といわれた小林ハルや元ハンセン病患者の桜井哲夫、実母や姉など苦難の人々である。瞽女とは唄や三味線を弾きながら物語を聞かせて、旅する盲目の女性芸人集団である。芸能の伝播者でもある。木下は鉛筆で103歳である小林ハルの深いしわが刻まれた肌、白髪の一本一本までを緻密に描いている。老いが奥深い生の中から浮き彫りになってくるかのような迫力で迫ってくる。木下自身が、3歳の頃、一家離散となり、母と逃亡していた弟が餓死をしている体験を持つが故に、生の深さが描けるようにも思えてならない。
私自身、もともと小林ハルという人物には強く惹かれるものがあった。生後100日で失明。瞽女として厳しい道を歩き、すさまじい地の底を這うような生き方をしてきた人の言葉は重い。「良い人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」。自分を支えてくれる人は楽しく、意地悪をする人は自分を鍛えてくれていると思えばいいということである。「生の深い淵」を生きてきた人間のもつシワや目が見えなくても何か訴える目や表情には人生に鍛えられてきた力を感じるものがあった。


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2 コメント

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Unknown ( カモシカ)
2011-01-12 23:06:33
>今年の元旦は仕事で、泊り勤務
スタートからお疲れ様でした。

>「いきるちから」展
濃い時間を過ごされていたのですね。

そろそろお山がとっても恋しいでしょうね。
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カモシカさん (つばさ)
2011-01-16 08:23:44
>そろそろお山がとっても恋しいでしょうね。
そうなんです。今年の初登りがしたいのですが、なかなか出来ません。天気はいい日が続いたのに、うまくかみあいません。それでも映画はそこそこみています。
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