東京国立博物館で、「法然と親鸞 ゆかりの名宝」を観た。平日だというのにたくさんの人で賑わっていた。法然没後800回忌、親鸞没後750回忌を機に合同展である。各寺院に伝わる絵巻や書、仏像といった国宝・重要文化財94件を含む189件が一堂に会し、2人の思想や生涯、信仰の広がりなどを紹介する。阿弥陀仏の力で万人の救済を目指した浄土宗の宗祖、法然は平安時代末期から鎌倉時代にかけて、それまで貴族中心とされていた仏教を、庶民の救いという視点に立って浄土宗を開いた。親鸞は40歳年下の弟子でたとえ地獄に落ちようとも、法然の教えを信じて念仏をすると決断して、浄土真宗の宗祖となった。鎌倉仏教の二大宗祖のゆかりの展示である。仏像では、重要文化財「阿弥陀三尊坐像」は、大きくて迫力がある。中央の阿弥陀如来(中尊)は4メートル近くある。右に観音菩薩、左に勢至菩薩が控える。極楽で阿弥陀如来が説法する様子を表しているとのこと。死後は極楽に行きたいという人々の思いも込められている。絵画の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」は死後迫る人を阿弥陀如来が迎えに来る姿が描かれた。阿弥陀如来と25人の諸菩薩が左上から右下へ雲に乗り、山肌を一気に下るスピード感である。これを見て救われた人は多いと思う。天災や戦乱が重なったこの時代に、救いを求めていた人々は念仏を唱えれば極楽にいけるという教えにすがる思いだったに違いない。震災や津波、原発事故と未曾有の天災や人災に見舞われた今年、このような展示会が開かれるのも意義があるのでしょう。
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つばささんらしい有意義な休日の過ごし方ですね。
「法然と親鸞 ゆかりの名宝」見たいなあ、と思ってました・・すっかり忘れてた!ブログに遊びにきて良かったです。行ってみようと思います。
良く覚えています。noriさんと山岳会で一緒だったんですよね。こちらこそお世話になりました。
「法然と親鸞 ゆかりの名宝」はなかなか見応えがあります。是非行ってください。ただ、人気があって、非常に混んでいると思います。