ジグザグ山歩き

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ヴィヨンの妻

2009-10-17 19:51:27 | 映画
「ヴィヨンの妻」は生誕100年の太宰治の短編小説の映画化である。太宰の人生をからめながらも,太宰の作品の複数の物語を題材にしている。ヴィヨンというのは、高い学識を持ちながら悪事に加わり、逃亡・入獄・放浪の生活を送ったフランスの中世末期の近代詩の先駆者フランソワ・ヴィヨンのことである。(オフィシャルサイトより)
浅野忠信演じる作家の大谷は死ぬことばかり考えている。酒と女に依存している。男の弱い部分をさらけだしている。退廃的ではある。男は弱いな駄目だなーと思ってしまう。それでも、どこか憎めない。それにしても浅野忠信はかっこよすぎるし、顔色は健康そのものであるのが違和感を感じた。松たか子演じる妻の佐知はそんな夫を受け入れて、たくましい女性である。周りを明るくさせる魅力的な存在である。現代の風潮ではそぐわない男と女の関係かもしれないが、今でも通じるようなテーマがある気もした。サブタイトルは「桜桃とタンポポ」となっている。桜桃は痛みやすいけど甘味があって愛されるという意味をこめているらしい。一方、タンポポは、どんな環境にも対応して成長し、誠実な美しさを意味しているそうである。監督は最後の佐知の台詞のためにこの映画は存在すると言っている。最初の幼い時の「鉄管回し」のシーンから始まり、このシーンと最後のシーンは意味がある。太宰治の作品をうまくまとめていると思った。また、松たか子と広末涼子の競演も見所がある。すれ違いざまの広末涼子のあの微笑みは見事である。早速、太宰治の短編「ヴィヨンの妻」の部分だけ読んでみた。



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2 コメント

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Unknown ( カモシカ)
2009-10-21 01:05:22
太宰、学生の頃いろいろ読んだ記憶があります。(あまりはっきりストーリーを覚えているのは無いですが)
余談ですが、太宰治は沼津とも所縁が深く
現在の沼津市志下で、作家としての出発点となった処女作「思ひ出」を執筆していたんですよ。
また、三津の安田屋旅館に滞在し、代表作「斜陽」の1、2章を執筆。平成元年から安田屋旅館では、太宰を偲んで『沼津桜桃忌』が行われています。
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カモシカさん (つばさ)
2009-10-21 09:05:00
私も太宰は少し読みかじったような記憶がありますが、今回はたまたま映画を観て、太宰に興味を持ちました。

>太宰治は沼津とも所縁が深く
そうなんですか。沼津もまた、訪れてみたいです。
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