おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

アンタッチャブル

2019-01-16 19:50:56 | 映画
「アンタッチャブル」 1987年 アメリカ


監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 ケヴィン・コスナー ショーン・コネリー
   アンディ・ガルシア チャールズ・マーティン・スミス
   ロバート・デ・ニーロ ビリー・ドラゴ
   リチャード・ブラッドフォード ジャック・キーホー

ストーリー
1930年、9月。エリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)が、財務省から、シカゴに特別調査官として派遣されてきた。
禁酒法下のシカゴでは密造酒ともぐり酒場は実に10億ドル市場といわれ、ギャングたちの縄張り争いは次第にエスカレートし、マシンガンや手榴弾が市民の生活を脅やかしていた。
中でもアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)のやり方はすさまじく、シカゴのボスとして君臨していた。
カポネ逮捕の使命感に燃えるネスは、しかし警察の上層部にも通じているカポネがそう簡単には手に落ちないことを実感する。
そんな彼に、初老の警官ジミー・マローン(ショーン・コネリー)が協力することになる。
多くの修羅場をくぐってきたマローンから、ネスは多くのことを学んだ。
やがて、警察学校からの優秀な若者ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)がスカウトされてやってくる。
さらに本省からは、ネスの部下としてオスカー・ウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)が派遣されてくる。
巨大なシンジケートをかかえるカポネと、ネスら4人との対決が始まり、最初の摘発は郵便局だった。
彼ら4人が散弾銃を片手に摘発し、翌日の新聞では、初めての大量逮捕を大きく取り上げ、彼らは“アンタッチャブル”(手出しのできぬ奴ら)という異名を馳せる。
だが、そのことは、カポネの怒りを買い、カポネの右腕と呼ばれる殺し屋フランク・ニティ(ビリー・ドラゴ)がネスの身辺に現われる。
妻キャサリン(パトリシア・クラークソン)と愛娘の安全を苦慮したネスは家族を直ちに脱出させた。
アンタッチャブルの捜査は続き、ネスは、シンジケートの帳簿を手に入れる。
それこそカポネに致命的なダメージを与える証拠となるものだった。

寸評
「アンタッチャブル」は僕の子供の頃の人気テレビ番組で、当時は多くのアメリカのテレビドラマが吹き替え放映されていたが、「アンタッチャブル」もそのひとつだった。
僕にとっては本当に久しぶりの「アンタッチャブル」なのだが、ブライアン・デ・パルマが奇をてらわないで、はでな銃撃戦を極力抑えた手堅い演出を見せ十分に堪能できる作品に仕上げている。
この作品を公開時に劇場で見たきっかけはファッション評論家でもある立亀長三氏から「衣装が素晴らしいので見るように」と勧められたからだったのだが、その衣装はジョルジオ・アルマーニが担当している。
ファッションもそうだが、1930年代の街並みの再現も雰囲気作りに貢献しているので美術担当も評価される。
ケビン・コスナーの正義感あふれるエリオット・ネスが主人公だが、なんといってもショーン・コネリーのマローンに存在感がある。
アル・カポネのロバート・デ・ニーロと共に、恰幅のいい二人が画面を圧倒している。

マローンは初老の警官で、「警官の仕事は手柄を立てるのではなく無事に家に帰ることだ」とエリオット・ネスに教えたのだが、命の危険を感じながらも警官としての生き方を貫くことを決意する渋い役回りである。
ネスのもとに警察学校の生徒だった新米のジョージ・ストーン、財務省から応援にきた簿記係のオスカー・ウォーレスが加わり、四人が揃ったところでマローンが全員に銃を持たせて密造酒の摘発に向かう。
進んだら後戻りできない修羅の道へ踏み出していくカッコイイ場面だ。
事実上はマローンがリーダーと言っても過言ではない活躍を見せる。
密造酒取引で逮捕した一人の口を割らせるために、すでに死んでいる男の口に銃を突っ込み、あたかも生きているように尋問し、男が口を割らないために射殺したように見せかける凄みは彼の決意の表れでもある。
そのマローンが襲われ、瀕死の状態で会計係の乗る汽車を知らせるくだりも迫力あるものとなっている。
警官のお守りを欲しがっているように見せながら、それを拒絶し何とかネスに知らせようとする姿に、僕は思わず力が入り拳を握りしめていた。
対決物では相手にも存在感がないと盛り上がらないものなのだが、ロバート・デ・ニーロも貫録を見せる。
その表情にアル・カポネという傲慢なギャングのボスの異常な性格がにじみ出ている。
郵便局での密造酒製造を摘発され、ヘマをした部下をバットで殴り殺すシーンも圧巻だが、オペラシーンで見せる涙と笑いの複雑な表情が化け物的な不気味なものを感じさせた。

駅のシーンで乳母車が階段から落ちるシーンは、公開時からエイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」における階段落ちと比較され話題となっていたが、僕は乳母車を映すショットが少しくどいように感じた。
モンタージュとしての効果も薄かったようにも思うが、ここでのアンディ・ガルシアはカッコいい。
脚本的に不思議に思うのは、非情なカポネがなぜ重要参考人であるはずの帳簿係を殺さなかったのだろうということで、エリオット・ネス達が必死で追い求めている帳簿係なら、消し去ってしまうのがカポネ一味にとっては一番安全だと思うのだが、なぜかマイアミへ逃がそうとしている。
それにしても「禁酒法」などという悪法がよくも存在したものだ。
ときどきとんでもない法律が出来上がったりするから注意しなくてはならない。
このことは現在の日本においても言えることである。

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