猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

魂の値段、ひと月3900円。

2007年01月24日 23時48分21秒 | ぶ~すか言ってやる!
小学生を持つ親の中に、給食費を払わない人が増えているという。

2005年度の学校給食費未納額は計約22億円。

人数では児童生徒数の1%に当たる約10万人が給食費を支払っていないという計算になる。

さらに、その中で、給食費を『払えない』のではなく、『払わない』親が6割。
(しかも富裕な家庭が多いらしい)

『払わない』理由としては、

「義務教育だから払う必要がない」

とか

「時間割に給食が組み込まれているのだから、払う必要がない」

「食べたくも無いものを食べさせるのだから、お金払う必要ない」

とか、思わず笑ってしまうほどの屁理屈のこねようらしいが、もうそこには、人としての誇りも、羞恥心もない。

そういえばニュースでは『道徳心の低下』『親としての責任感のなさ』を言っていたが、それってもっともっと、それ以前の話じゃないの?

義務として払うべき金を払わず、子供にただ飯を食わせている親が、出し惜しんだ月3900円と引き換えに手に入れるものはなんだろう?

自分の親が払えるはずの金を払わずに、平然とした顔をしているのを見ている子供が手に入れるものは?

いや。
失うものは?

「人として賎しいことをしてはいけない」

私が子供の頃にはそう教わったものだが、『払わない』親は、子供の傷つきやすい心や、人格形成や尊厳よりも、そのひと月3900円を貯金して旅行に行ったり車を買ったり携帯代金を払って己が景気良く見えることのほうが大事なのだろう。
(月3900円を溜めたとて、それほど車が買えるとも大した旅行に行けるとも思わないが・笑)

その給食費を肩代わりしている校長や教師やPTAの苦悩など、己の生活が楽しければどうでもいいに違いない。

彼らにとって目に見えない魂の質はおそらくどうでもいいこと。

彼らは心の賎しさは顔に表れ、行動に表れるってことを知らないのだろう。

どれほど着飾り上品ぶっても、他人っていうのはちゃ~んと見ているものだが。

その惜しんだ3900円で何ができるのか知らないが、『払わない』親よ。
あんたたちは人々から見下され、軽蔑されていることを認識すべきだ。

きっと我が子がそんな親を恥じていることをも。

まあ、そういうヤツはもとより人としての尊厳など持ち合わせていないのかもしれないが。
だったら。

給食費を払わない親を持つ子の給食を止めるのもやむをえないのではないかという議論がされるのも仕方ない気がする。
(もちろん子供は悪くないし、そんな事態にならないのが一番だが、払わない親の中には「給食を止められるもんなら止めてみろ!」と凄む人間もいるとか)

そりゃ、子供は一時可哀そうな思いをするが.....。
もとよりこの世は平等なんかではないのも事実だし、
(哀しいことだが)
誰が『払わない』親を持っているのか保護者達は知っていることを考えると、当然子供達も同じことを知っている可能性が高く、すでにそれをネタに苛められている可能性だって高い。
(子供って大人の噂話とか、よーく聞いてるもんだから)

それに、このまま放っておいても事態は解決しないし、財産差し押さえなんて例を考えれば、どの道その子供は恐怖と恥ずかしさでかわいそうな思いをすることになるだろう。

実際、現状では払わない親がいるために給食全体の質を落としたり、デザートをなくしたりしているそうだが、それではきちんと払っている親の気持ち、子供の権利はどうなるのか。
(ちなみに子供のいる生活保護受給世帯には、給食費分を上乗せして支給されているらしい)


今、私の手元に一冊の写真集がある。

それは昭和20~30年代の子供を撮り続けた土門拳氏のものであるが、その中に数枚の学校での写真がある。

弁当の時間。

家庭の経済的事情で弁当を持ってこれない子供が、他の子の食事中、目のやり場に困らないように、学校にある絵本を開き、じっとひたすら見つめている写真。

彼らは、弁当を持っている子供達が何かの拍子にどっと笑っても、決して絵本から目をそらさないのだという。

いや。

「だからなんだ?」

「なぜその話を持ち出すのだ?」

と聞かれれば、私にもわからないのだが.....

しかし、弁当を『持って来れなかった子供』の行く末と『払わない親』を持つ子供行く末には決定的な違いがあるように思う。

そういえば、TVでは

「お金では買えない価値がある」

なんてCMが頻繁に流れているが.....

ひと月3900円で何を買うか、ではなく。

『払わない親』はひと月3900円で何を売り渡したのか。

賎しい親が自分の魂をいくらで売ろうがどれだけ穢そうが構わないが。

実際に報いを受けるのは、その子供。
我が子なのだということを、彼らには.....

いや。
何を言ってもわからないのだろうな、きっと。
コメント (6)
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