ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

困った老人たち

2017-09-25 15:47:36 | 日記
リハビリに出かけるまで、すこし時間があったので、テレビをつけた。画
面はニュースを流していた。だれかが斧で切りつけられたらしい。捕まっ
たのは、60代の老人だという。近所の男が、インタビューに答えてこん
なことを言っていた。「とても穏やかな人で、こんなことをするとは思え
ないんですけどね。」

このニュースを見たとき、私の脳裏を過ぎったのは、きのう読んだ新聞記
事である。こんなことが書いてあった。
「万引きで逮捕、起訴された大阪市の男性(72)が今春、裁判で無罪判
決を受けた。認知症の一種によるもので、本人の責任は問えないと判断さ
れたからだ。(中略)「前頭側頭型認知症が犯行を引き起こした」との結
果が出た。前頭側頭型認知症は、アルツハイマー型認知症と違って妄想が
少なく、普段は問題なく生活を送れているように見えるが、興味を引くも
のが目に入ると自分を制御できなくなることがある。」

困ったことだが、歳をとると、「困った人」になることが多い。最近、駅
のホームで駅員に食ってかかるなど、すぐにキレる老人が目立つように
なった。そういう記事を読んだことがある。

リハビリを終えて帰宅してから、けさテレビで見た事件をブログで取りあ
げようと思い、改めてネットで検索した。けれども、それらしい事件は見
当たらなかった。その代わり、もっと面白いネタが出てきた。

「斧 老人」の検索ワードでググると、「痴情のもつれから、老人が相手
を斧で切りつけた」という事件は、ごまんとあるらしいのだ。婆さんが爺
さんを切りつけた、というケースも少なくないらしい。

こうした事件のうち、「脳細胞が劣化して、ブレーキを掛けられなってい
る。老化により、自己抑制機能が衰退した」というケースは、どれ位ある
のだろう。私の友人の場合も、昔は穏やかな「良い奴」だったのに、久し
ぶりで遭ったら、やたら攻撃的で粗暴な老人になっていた。これが老化の
なせる業だとしたら、「人のふり見て我がふり直せ」ではないが、私も自
分のふるまいに気を配らなければならない。歳をとるって、厄介なものだ
ね。
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狂人理論の狂人たち

2017-09-24 11:25:16 | 日記
米朝首脳間の罵(ののし)り合戦がますますエスカレートしている。今度
はトランプ米大統領がツイッターで、北朝鮮の金正恩を「常軌を逸した人
物」と呼ばわったとか。

罵り合戦がここまでエスカレートしたからには、この表現などとりたてて
論(あげつら)うほどの言葉ではないように思えるが、「常軌を逸した人
物」の原語は madman 、つまり気違い、狂人である。このニュースを伝
えたNHKは、「気違い」や「狂人」が放送禁止用語に当たると考えて、
「常軌を逸した人物」という穏当な表現を使ったのだろう。穏当な表現に
「意訳」したぶんだけ、トランプのツイッター発言のインパクトは薄めら
れているが、要は、米大統領が北の独裁者を「狂人」呼ばわりしたという
ことである。

「狂人」と聞けば、すぐに思い浮かぶのは、「狂人理論」である。「狂人
理論(madman theory)」とは、ゲーム理論の一種で、「オレは激情に我
を忘れて、キレると何をしでかすか分からないアブナイ男なんだぜ」と相
手に思わせることで、相手をビビらせ、優位に立とうとする交渉戦術であ
る。

トランプは金正恩を「狂人」呼ばわりすることで、「オレは狂人理論を知
らないわけじゃない。お前は気違いのフリをして、核のボタンを押しかね
ない危険人物だと思わせ、世界を恐怖に陥れているが、それが演技だとい
うことくらい、オレは見抜いているんだぜ」と言おうとしているのではな
いか。「オレはお前とは違って、お前なんかよりずっとアブナイ人間なん
だぞ!フリじゃないぜ。本気でお前を潰してやるからな」とも。

罵り合いの非難合戦は、どうやら狂人(の演技)合戦の様相を呈してきた
ようだ。

そうそう、我々の身近にも「欲求不満が昂じて、怒りをまき散らす人物」
のフリをして、自分の嫉妬心や暴力への意志を、相手にぶつけようとする
「困った人」がいるよね。
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狂犬同士の罵り合いに

2017-09-23 01:39:25 | 日記
米朝首脳の間で、狂気じみた相互応酬がエスカレートしている。「狂気
じみた」というのは、狂犬同士の噛みつき合いに似た、という意味であ
る。他の場合なら、品のない茶番劇として(半ば呆れながら)放ってお
けるが、この場合は「有言実行」に猛進する狂犬同士の罵り合いである。
結果次第では、地球全体を巻き添えにしかねないとあって、ハラハラ、
ドキドキ。両国の伝統芸になりつつあるチキンレースがまた始まったと
いったところだろうか。

直接的な事の発端は、トランプ米大統領が今月19日に行った国連総会で
の演説である。その中で彼は、北朝鮮の最高指導者・金正恩を「ロケット
マン」と呼んで、「ロケットマンは自殺任務に突き進んでいる」と述べ、
「自分や同盟諸国を防衛するしかない状況になれば、我々は北朝鮮を完全
に破壊するしか、選択の余地はない」と断言したのである。

これに対し、金正恩は以下のような声明を公表した。その「さわり」(要
所)の部分を引用して紹介することにしよう。

「米国執権者は情勢緩和に役立ち得るそれなりに説得力のある発言をする
どころか、わが国家の「完全破壊」という歴代いずれの米国大統領からも
聞いたことのなかった前代未聞の無知蒙昧(もうまい)な気が狂ったラッ
パを吹きまくった。
おじけづいた犬はさらに騒々しくほえるものである。

(中略)わが方の政権を交代させたり制度を転覆させたりするという威嚇
の枠から抜け出し、一つの主権国家を完全に壊滅させるという反人倫的な
意志を国連舞台で公然とわめく米大統領の精神障害患者さながらの狂態は、
正常な人まで道理の分別と沈着性を失わせる。
私はきょう、米大統領選挙当時、トランプに関して「政治門外漢」「政治
異端児」だと嘲弄されていた言葉を再び想起することになる。
大統領となって世界の全ての諸国を威嚇、恐喝して世の中をいつにも増し
て騒がせているトランプは、一国の武力を握った最高統帥権者として非適
格であり、彼は明らかに政治家ではなく、火遊びを好むならず者、ごろつ
きだということで間違いない。(中略)我々はこの米国の老いぼれの狂人
を、必ずや、必ずや火で罰するであろう。」

「北朝鮮を完全に破壊する」という米大統領の言葉が、金正恩にはよほど
応えたに違いない。彼は声明文の中で二度、この言葉を取りあげ、言葉の
限りを尽くして口撃を加えている。

口撃を加える若い狂犬の矛先は、もっぱら老いぼれの狂犬に向けられてい
る。我々はこの罵りの言葉を、他人事だと高をくくって聞き流すことはで
きない。トランプ米大統領という一個人をピンポイントに「火で罰する」
のだとしても、その武器として核ミサイルが使われれば、被害は米全土に
及ぶ。これに米軍が反撃を加えれば、北朝鮮は同盟国の日本や韓国にもミ
サイルを打ち込むだろう。

この舌戦、何とかならないものかとやきもきさせられるが、狂犬同士の激
しい罵り合いに、つける薬はなさそうだ。何をしても火に油を注ぐような
ものだろう。

我が身をふり返れば、幸いなことに、事はずっと簡単だ。きのうの「旧友」
の話ではないが、老いぼれの狂犬が吠えかかってきても、シャッターを下ろ
せば、それで幕を引くことができるのだから。残るのは、唯一、後味の悪さ
だけである。
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不満の理由は

2017-09-22 11:56:16 | 日記
片麻痺もあながち悪くはないな。自由に出歩けないのも、悪くはないな。
そんなふうに感じたのは、旧友から届いたメールに目を通しているときで
ある。具体的に書くと差し障りがあるから、譬え話をすることにしよう。
登場する「旧友」は、もちろん架空の人物であって、実在する誰かではな
い。

ある日、旧友に数年ぶりで、ばったり出会ったとしよう。「やあ、久しぶ
り、元気かい?」と挨拶の言葉を掛けたが、旧友はなぜか不機嫌な面構え
で、私をじろりとにらみ返す。そして、「なんだ、その態度は!」と怒鳴
るのである。

「ぷりぷり当たり散らす」という言い方がある。「ぷりぷり」とは、辞書
によれば、「不機嫌で取りつくしまのないさま」、「当たり散らす」と
は、「自分の不愉快を原因として、関係のない周囲の人にまでわけもなく
怒り散らす」ことだという。旧友の態度に、私がいだいたのは、「こいつ
はなぜ、ぷりぷり当たり散らすのだろう」という疑問だった。そして、
思ったのである。「何か嫌なことでもあったのかな?こいつは案外、不満
の多い毎日を過ごしているのではないだろうか・・・。」この旧友は、五体満
足で、見たところ、手脚の動作に不自由はなさそうだ。身体の衰えもさほ
どではなく、年相応であるように見えた。聞いた話では、彼は定年退職し
てから写真撮影を始め、野鳥などを撮り歩いているという。また、自宅近
くに畑を借りて、野菜栽培に精を出したりもしているという。

私は旧友の心境を理解しようとして、想像上で、彼の立場に自分の姿を投
げ入れてみた。私の立場に彼の姿を重ね合わせてみた。私は釣りが趣味
で、身体が元通りになったら釣り三昧の生活を送りたいと思っている。そ
の思いが叶ったとき、私の生活はどういうものになるだろうか。旧友が野
鳥を追いかけるように、私がヤマメやイワナや、アジやクロダイを追いか
けられるようになったら、私の精神状態はどういうものになるだろうか。

おそらく私の精神生活は、今よりもはるかに不満の多いものになるだろ
う。今、私はブログの文章を書き綴ることによろこびを感じ、満足を見出
しているが、「釣りに(行けるのに!)行けない」ことがストレスの種に
なり、不満の種になって、ブログの文章を書き綴るよろこびに浸ることが
できなくなるだろう。釣りに出かければ出かけたで、「ブログ書きに専念
できない」ことがストレスの種になって、釣りの時間を純粋に楽しむこと
ができなくなるだろう。

「その出ずることいよいよ遠(とお)ければ、その知ることいよいよ少な
し(遠くへ出かければ、出かける程に知ることは少なくなっていく)」

これは老子の言葉だが、この「知ること」を「知的満足を得ること」と置
き換えれば、この言葉は、片麻痺が治り、釣りができるようになった私の
姿を、みごとに言い当てている。

だから私は思うのである。片麻痺の現状もあながち悪くはないな、と。

このことを気づかせてくれた旧友には、感謝しなければならない。八つ当
たりによって受けた不快な気持ちは、どこかに消えたと言えば嘘になる。
だが、とりあえず、谢谢。


*前回のブログ記事に誤りがありました。お詫びして訂正します。
 ×「北朝鮮をめぐる事態は、まさに(1)から(2)へと進み」
→○「北朝鮮をめぐる事態は、まさに(2)から(3)へと進み」
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北朝鮮をめぐるここ1年

2017-09-21 14:40:35 | 日記
最近、気になり始めたことがある。「gooブログ」から届いたお知らせ
メール「ささやんさんの1年前の記事」を開いたら、ちょうど1年前の
9月19日、私は次のように書いていた。

北朝鮮の外相は、米国の戦略爆撃機(B-1B)による「挑発」に対抗し
て、「新たな攻撃を開始する用意がある」と言明した。このことに言及
し、コリア・レポート編集長・辺真一氏は、予想される北朝鮮の「新たな
攻撃」として、以下の3つをあげている。

(1)米軍機の迎撃を想定した地対空ミサイルの試験発射
(2)米本土を標的にした長距離弾道ミサイル「KN-08」の発射実験
(3)6度目の核実験

この3つの可能性のうち、(1)は米の爆撃機による攻撃への「迎撃」を意図
したものであり、米による攻撃が行われたあとで、初めて発動可能になる
攻撃形態である。
戦闘の火ぶたを切る「挑発」としては、(2)の可能性が最も大きいが、これ
は空手の「寸止め」に当たるもので、核弾頭は搭載せずに空砲を撃って、
「俺たちはその気になれば、いつでもおまえらを皆殺しにすることができ
るんだぞ!」と威嚇するものである。
これに(3)の核実験が合わされば、(2)の威嚇はさらに強烈なインパクトを持
つものになるだろう。
この(2)と(3)の合体戦略は、挑発としては非常に効果的であり、その強烈す
ぎる効果に、米国は迅速な対応を示さざるを得ないだろう。
そこで、米が戦闘機を投入して北朝鮮に攻撃を仕掛ければ、北朝鮮はこれ
に対していよいよ(1)の迎撃を開始することになり、ここに本格的な戦闘の
火ぶたが切って落とされることになる。


以上が1年前に私が書いた記事であるが、元ネタになる辺真一氏の予測記
事は、ネットでググってみても見当たらなかった。私の記事がどこまで正
確な紹介になっているか、そのあたりはおぼつかないが、これはあまり問
題ではない。この大ざっぱな紹介記事を読むかぎり、辺氏の予測は的確だ
と思われ、問題なのはこのことなのだ。北朝鮮をめぐる事態は、まさに
(1)から(2)へと進み、米朝関係は(1)の直前にまで達している。
そう私は感じたのである。

その後の実際の動きはどうだったか。辺氏の予測通り、北朝鮮は今年7月、
ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行い、これに成功した。
また、9月には、6度目になる核実験を実施し、これは規模が大きかった
ことから、水爆の実験だったと言われている。

こうした推移を受けて、米国は軍事的圧力を強め、今にも攻撃を仕掛けそ
うな勢いである。開戦は目前の情勢だが、北朝鮮の迎撃体制がどうなって
いるのか、ググって調べてみた。ネット情報によれば、北朝鮮は今年3月、
地対空ミサイルの射撃訓練を公開したという。「寄らば撃つぞ!」の構え
なのだ。

さて、今後の展開はどうなるのか。私が気掛かりなのは、そのことであ
る。内だけを向いて、選挙なんかに現(うつつ)を抜かしている場合なの
だろうか。さんざん北のミサイル危機を煽り立ててきたのは、何処のどな
ただったのかな。

もっとも、米朝戦争の「追い風」が吹いている今こそ、安倍自民党にとっ
て勝負の好機であることは、その通りなのだが。
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