趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『おいしい中国』 楊逸

2010年11月25日 | 
楊逸(ヤン・イー)さんの新刊読みました~
お料理エッセイかな?と思っていたら、
楊逸さんが幼少の頃を振り返り、育ってきた中国東北部での生活ぶりが
日常生活の‘食’を通して語られています。



楊さんは1964年に、中国東北部ハルビンに五人兄妹の四番目として生まれます。
貧しくも楽しいハルビンの生活が著者ご自身による写真と共に
楽しく描かれています。

そんなささやかな生活が、文化大革命中の1970年、
教員だった両親と一緒に農村へ「下放」されて一転してしまうのです。
電気もガスも水道もない廃屋での生活・・・その過酷さに言葉もありません。

まるで終戦直後の日本の貧困生活を思わせる生活に
私達親世代の貧乏暮らしと重ね合わせてしまいます。
楊さんとは、同世代だと言うのに・・・。

過酷な生活の中にも、様々な工夫を凝らして生活に彩を添えようとする
そのたくましさ、明るさ、真面目さが、生き生き描かれていて
元気をもらえる気がしました。

お国柄の違いに目を白黒させたり、
生き物を食べるという事の意味など
日ごろ忘れて飽食していたことなど思い出して、
ちょっと恥ずかしく思いました。。