幼い頃、毎年夏休みに家族で参加していたサマーキャンプ。
参加していた7人の子供たちにとって、それなりに楽しい思い出だった。
それが、ある年をさかいに突然中止となり
親達は理由を濁し、誰とも連絡は取れなくなる・・・。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
7人の子供たちは、いずれも3歳から8歳くらいまでの出来事を
成長するにつれ忘れていくのです。
ただあいまいな物言いの親達に不審だけは残して。
大人になり、別々の人生を歩んでいた彼らが交差して
「もしかしたら??」と
キャンプに参加していた人を探し始めるのです。
登場人物が多いのですが、それぞれが丁寧に描写されていて
混乱も無く、いつの間にか花園の迷宮に迷い込んでしまいます。
一人一人の人物を成長させながら
生き生き描き出される様子に思わず惹き込まれました。
そして、深く深く考えさせられました。
家族のこと、生活するということ、
選ぶ、という意味。
そして、覚悟。
誰のせいでもなく、正解など無い自分自身のあり方というものを
本当に深く考えるきっかけをいただいた気がしています。
角田光代さん、すごい!!