山本兼一さんの『命もいらず名もいらず 上 幕末篇』 に続いて
下巻の明治篇を読みました~
攘夷と開国という旗印の下に、日本の国が混乱の極みの中で
大政奉還、王政復古の大号令、と
歴史の教科書が思い出される出来事が次々と起こっていく・・・。
追い詰められた15代将軍徳川慶喜の命を受け、
山岡鉄太郎は、江戸城無血開城の道筋をつけるため、
単身西郷隆盛と会見する。
まさにこの時、本作の題名となった
「命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす」
と西郷隆盛に言わせるのです。
時代が変転し、人々が右往左往する中
鉄太郎はまるで変わらない。
日々ひたすら剣に励み、座禅を組み、書をしたため
仲間と集い大酒を呑む・・・。
そして、いつになっても相変わらずの貧乏である。
そんな傑物な人なれば、徳川慶喜に仕え
若年の明治天皇に仕えて
時代の荒波を見事に乗り切ってみせたのだと思います。
「道を踏み違えた連中にだって生きていく場所は必要だ。
でなければよけいに不平不満がたまってしまう。
みんなこれから先の将来が不安なんだ。
どうやって生きていけばいいのか分からんのだ。」
こう語る夫・鉄太郎に、妻・英子が訪ねます。
「ではどうしたらいいのでしょう。」
「おのれに恥じぬように精神を満腹にして生きよ。」
「それだけですか?」
「そうだよ、生きていく上で大切なのは、それだけだ。
それひとつだけ念じて、腹で話せばみんな分かってくれるさ。」
とても、とても良かったです。。
下巻の明治篇を読みました~
攘夷と開国という旗印の下に、日本の国が混乱の極みの中で
大政奉還、王政復古の大号令、と
歴史の教科書が思い出される出来事が次々と起こっていく・・・。
追い詰められた15代将軍徳川慶喜の命を受け、
山岡鉄太郎は、江戸城無血開城の道筋をつけるため、
単身西郷隆盛と会見する。
まさにこの時、本作の題名となった
「命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす」
と西郷隆盛に言わせるのです。
時代が変転し、人々が右往左往する中
鉄太郎はまるで変わらない。
日々ひたすら剣に励み、座禅を組み、書をしたため
仲間と集い大酒を呑む・・・。
そして、いつになっても相変わらずの貧乏である。
そんな傑物な人なれば、徳川慶喜に仕え
若年の明治天皇に仕えて
時代の荒波を見事に乗り切ってみせたのだと思います。
「道を踏み違えた連中にだって生きていく場所は必要だ。
でなければよけいに不平不満がたまってしまう。
みんなこれから先の将来が不安なんだ。
どうやって生きていけばいいのか分からんのだ。」
こう語る夫・鉄太郎に、妻・英子が訪ねます。
「ではどうしたらいいのでしょう。」
「おのれに恥じぬように精神を満腹にして生きよ。」
「それだけですか?」
「そうだよ、生きていく上で大切なのは、それだけだ。
それひとつだけ念じて、腹で話せばみんな分かってくれるさ。」
とても、とても良かったです。。