趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『もう二度と食べたくないあまいもの』 井上 荒野

2010年06月01日 | 
井上荒野さん、新刊の短編集です。
10話あるので、どれもホントに短くて
そして一様にあっさりとした印象です。
内容はそうあっさり、というわけではないのですが・・・。
前回読んだ『雉猫心中』とは違った色合いを帯びていると思いました。

恋愛の末期的状況??
いずれも情熱的な時期を越えた男女の
なんともいえない寂しさが漂うお話です。



出会いからしばらくはときめきの中に確かにいるのに
時間が経って、色褪せて変わっていくのは仕方の無いことなのかなぁ。
確かにいつまでも変わらない気持ちというのも
違う気がするけれど、
時間が経つことに並行して
移りゆく気持ちや、変化していく気持ち、
覚醒する気持ち、熟成する気持ち、凪いでいく気持ち・・などなど
悪い面ばかりではないように思うのですが。

時が経ち、共に生きていくことが幸せに感じるような
そんな2人になりたいものだと思いました。。