趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

私の1冊

2009年05月11日 | 
このところ何冊か読んだ本が
あまりピンとこなかったので
ちょっとがっかりな気分です。

いずれも私にとって新しい作家達だったこと
目にした書評で興味を持ったこと
賞を受賞したものだったこと
などなどとても楽しみで期待していたのですが・・・。

NHKで『私の1冊』という番組を放送していますが
それを観ながら
私にとっての1冊って何かな~と考えてしまいました。
大好きな作家達、
感動に震えた本の数々・・・。
でも、それらを飛び越し
『1冊』というと
これしかない・・・・

藤原審爾さんの『結婚の資格』という本です。

この本は、学生時代書店の棚を物色中
ふと手にして購入した本です。
ストーリーは、
若い主人公が結婚して家庭を作っていく時
誰もが直面しそうな生活の細々した問題を描いたものです。
若く未熟な二人がどうやって家庭というものを築いていけるのか
生活をしていく、ということをシンプルに見つめた
地味ですがとても大切なことがつまった本です。

とりわけ、心に強く残っているのが
晩年になって結婚生活に失敗してしまったことに気づく
姑からの嫁にあてた手紙です。
病に倒れもう長くないと悟る姑が
自分自身の悔恨を込めて
若く危なっかしい嫁に
自分の失敗を伝え、どうすれば
どう考えていけばいいのか
指針を示すのです。

もう一歩踏み込んで考えること、
その踏み込んで考えるという事の大切さを
教えてもらいました。
そこで止めてはいけない、
もう一歩、と。

この本は、若く未熟な私の指針ともなり
悩んだり迷ったりすると必ず手にとっていました。
本当に何度読んだかわかりません。
ここ最近は読み返していないのですが
また読んでみたくなってきました。
気分転換に、読み返そうかな・・・。。