趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「ラン」森絵都

2009年04月15日 | 
久々の森絵都さん。
この本が出たばかりの頃
珍しく娘が買ってくれとせがんだ本です。
読み終わったら持って帰って来てね~と
言っておいたのに
それきりになっていました。

森絵都さん、といえばYA界の旗手ですよね~
『カラフル』は名作だと思います。
我が子たち二人ともファンのようで
『DIVE!』は面白い!と揃って絶賛しています。

この『ラン』は、家族を次々と亡くし
この世で一人ぼっちな自分の中で閉じこもる
若い女性の一人称で語られる物語です。
ある目的のため
文字通りマラソンを始める主人公。

若い人に薦められる読み易い文章なのですが
一つ、ひねたおばさんの心にも響いた所があります。
もしかしたら、死後の世界というのは
こんな風なのかもしれないと思えた事。

そんなこと、初めて思いました。
別段、リアルな描写というわけではないのですが
‘死後’というものの恐怖が心の底にあるので
こんな風に考えることができたら
怖さも少しは無くなるかも。
これから、こんな風に考えてみようと思いました。

『永遠の出口』でも、感じたのですが
森絵都さんは、若い読者に伝える波動を
お持ちだと思いました。
心傷つき、道に迷う若い世代に
届けたい作家だと、強く思いました。。