全く予想もしなかった感動を覚えました。
20日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団による第205回名曲全集!
家でもウォーキング中も良く聴いている好きな曲、シューマンの交響曲第4番がお目当てでした。
ベルリオーズの幻想交響曲は名前こそ知れど、私にはなじみのない曲。一応予習はしていきましたが。
私の持っている「名曲を訪ねて」という本で解説を読んだときは、なんだこれは?という感想でした。
しかしユーチューブで聴くと、わ!これいい曲!と思い、生の演奏では鳥肌が立つほど感動しました。
ベルリオーズ(1803~1869)はフランスで活躍した作曲家。
この交響曲の特徴は「ある芸術家の人生におけるエピソード」が音楽で描写されているということです。
繊細な若者芸術家が失恋の苦しみのあまりアヘンを吸い、恋人を殺し断頭台に引きずられる奇怪な夢を見る。
ある芸術家とは、ベルリオーズ自身のことで、自伝的交響曲とも言えるものです。
それだけに静けさ優しさと、激しさと情熱と混在し、とてもドラママティックな音楽となっています。
第5楽章まである1時間以上の長い交響曲で、それぞれの楽章にタイトルがついています。
第1楽章「夢想-情熱」:恋焦がれる女性への夢想と情熱
第2楽章「舞踏会」:当時の舞踏会で人気のワルツ
第3楽章「野の情景」:夏の田舎の夕暮れ 爽やかな風、穏やかな野辺の風景、しかし・・・
第4楽章」断頭台への道」:恋人を殺してしまった主人公がギロチンにかけられるグロテスクな描写
第5楽章「サバトの夜の夢」:恐ろしいい悪魔の群れに囲まれる主人公。不思議な終わり方。
ここまで書くと、この曲を全く知らない方は、さぞかしグロテスクな奇怪な音楽ではないかと思われるでしょう。
私もそうでした!ところがです、違うのです!むしろ明るく陽気にさえ聴こえる交響曲。
第2楽章のワルツは心地よく第3楽章はのどかな風景の中、恋焦がれる若者の心情を優しく描く。
壮絶な第4楽章、断頭台に一歩一歩近ずく若者になぜか狂喜し拍手喝采を送る聴衆。
そこはまるで戦いに勝利した兵士たちを迎える凱旋曲のようです。とってもいいんです、そこが!
演奏が終わるやあちらこちらでブラボー、そしてスタンディングオベーション!私も鳥肌が立ちました。
ベルリオーズ / 幻想交響曲 作品14 ( Berlioz / Symphonie Fantastique Op.14 ) - Orchestra Canvas Tokyo
お目当てのシューマンの交響曲第4番が影を潜めたように思えました。ごめんなさい、シューマン
終演後、一緒だった息子夫婦と久しぶりに会食。ご馳走になりました。
本当はこちらがお祝いに奢らなければいけないのにね、ありがとう!
本人抜きの大学受験裏話で盛り上がり、あっという間に過ぎた楽しいひと時でした。