風になれたら

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盛夏・黒部五郎岳 2019 2日目

2020-04-18 | 徒歩の旅

8/5 (月) 晴れ

3時に起きると星がよく見えた。ゆっくりと支度をして5時に双六小屋を後にした。

今日は三俣蓮華岳を経て黒部五郎岳に向かう。晴れて入れば双六岳を経る稜線、曇って入れば巻き道と決めていた、分岐点で結構ガスっていたので迷わず巻道へ向かった。

昨年巻き道を歩いたとき花がたくさん咲いていたので今回もと期待した。昨年巻き道を歩いたときの日記はコチラ

昨年は小梅蕙草 (コバイケイソウ)の当たり年だったようだけれど、今年も結構咲いている感じだ。

岩鏡 (イワカガミ)はいつ見てもかわいい花だ。イワカガミの葉が鏡のようだと言われているが、いつも花ばかり見て葉っぱは見ていないなぁ。

三俣蓮華岳に着く頃には空はすっかり晴れ渡った。360度のパノラマをくるくる回って楽しんだ。どこから見ても槍ヶ岳は目立つ山だなぁ。

ここから黒部五郎小屋までは下るのみ、道が狭いので何度かグループの人が過ぎるのを待った。北アルプスはやっぱり人気の山域なのだなぁ。

だなぁ、と思うことばかりが山歩きなんだなぁ。

深山大根草 (ミヤマダイコンソウ)

稚児車 (チングルマ)

白山一華 (ハクサンイチゲ)

唐松草 (カラマツソウ)

黒部五郎小屋に着いてテントを張った。ここは別天地だ。遠くに薬師岳が見える。

まだ朝の9時半、軽くなった身で黒部五郎岳を目指す。最初の樹林帯を歩いていたら藪の中を勢いよく何かがこちらに向かっている音が聞こえた。警戒する暇もなく目の前を大きな兎が通り過ぎて行った。びっくりしたが、ここにはあの兎が生きて行くだけの餌があるのだなと思った。草いきれを抜けるとカールの上部から涼しい風が吹いていた。行動食をボリボリ食べたり、途中の岩清水をガブガブ飲んだりしながら、歩いて行く。足下に小さな花を見つけることは小さな幸せだ。

岩銀杏 (イワイチョウ)、こうして帰ってから知らない花の名前を調べるのだけれど、次に見かけたときに思い出せるのだろうか。

カール終端の急登を登って尾根に出たら頂はもうすぐだ。尾根を通り抜ける風は少し冷たかった。

黒部五郎岳に登頂。手作りの銘板が置かれていた。

帰りは登ってきたカールではなく南側の稜線のルートを選んだ。山と高原地図では破線ルートとなっているが、気持ちの良さそうな尾根が続いている。

這松 (ハイマツ) に石楠花 (シャクナゲ)が咲く道に、時折手頃な岩が現れる変化に富んだ楽しいルートだ。

振り返って黒部五郎岳とその下に広がるカールとモレーン を眺める。カールは圏谷と呼ばれる氷河に削られた岩の谷で、モレーンは削り取られた岩石が溜まったり散らばっている地形だ。

頭の中がお花畑になって歩いていると2羽の雷鳥が目の前に現れた。そのうちの1羽は砂浴びをしていた。全く逃げる気配がない、砂浴びが終わるのを待って先に進んだ。

稜線のチングルマはすでに花が綿毛に変わっていた。稜線の季節は谷よりも先に秋が近づいている。

樹林帯に入ると登山道は雨水で深く削られていた。そこを抜けて平らな場所に出るとそこはテン場だ、時刻は13:20、張られたテントも増えてきた。

小屋では缶ビールなどが冷やされているが、ここは生ビールだ、ジョッキで生ビールだ。冷たいビールをこんな場所で飲めることは僥倖の極み、超絶ラッキー、脳みそが溶けていく。

ゆっくりビールを飲んだらテン場に戻ってゆっくりとご飯の準備だ。缶詰のイワシの味噌煮にミニトマトを放り込んでチーズで和えた。

おつまみが終わったらメインだ。イベリコ豚のミートソースパスタにセブンのハンバーグを投入、なんかペンネがふやけて大変な量になってしまった。食べきれないな、きっと。

持ってきたレトルトパウチのワインを飲みながら隣にテントを張った元山岳部、20年ぶりの山行と言う方と取り留めもない話をしばらく続けた。気軽に知らない人と話ができるのもひとり旅のいいところだ。

夕方、遠くにあった黒い雲と雷の音が急にやってきて激しい雷雨となった。酔っ払って溶けた脳みそでテントを打つ雨粒の音を聞いていた。

 

 

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