昨日、春の嵐が吹き荒れる中、始業式も済み、3年生になったソウキ君とユウト君が、耕うんしていた畑に半ズボンに半そで姿、かつ素足で飛び込んできました。ソウキ君は座り込んで土をいじり、ユウト君は土を踏みしめながらふわふわした土の感触を楽しんでいます。
ソウキ君は、自分の両足をシャベルですっぽりと隠し、にやにやしながら何を想像しているのでしょうか?
二人が畑の中で遊ぶ様子を、上の土手からジッと見ていた5年生のユカちゃんが、靴を脱ぎ裸足になって畑に入ってきました。走ったり飛び跳ねたりと悦に入っていたユカちゃんに向かって、二人は土で握ったボールを投げつけ、いつしか泥合戦になっていました。
畑を出てからも、裸足で土手を走り回っていたソウキ君が、足の裏を何かで切ってしまいました。先に遊びに来ていた5年生のユウカちゃんが気づき、川の水で泥を流し、消毒をして傷の手当てをしてくれています。
きれいになった足の裏に、今度はミノリちゃんがバンドエイドを貼ってくれています。この日は強風が吹き荒れ,体のバランスを失ったのか、ユウト君も腕にすり傷を、ミノリちゃん自身もゴザの重しにしていた石に頭をぶつけて「こぶ」をつくるハプニングがありました。
ユカちゃんは、足元に咲いていたキバナノアマナを見つけ、「これなんですか?」と聞いてきたので、「キバナノアマナと言って食べられるよ」というと、「ほんと!」と言ってすぐに口に含みました。
私は、野草は基本的に熱を通して食べることを前提に話しているのですが、綾里っ子たちは、そのまま口に入れて食べてみます。子どもたちに促され、生でキバナノアマナの花を食べてみました。地中にある鱗茎が甘いことに由来するアマナの名前のごとく、なるほど花も甘くておいしい味でした。
その後、ニリンソウの葉を摘んできて「これ食べられますか?」と言うので、「トリカブトという毒草と間違いやすい 葉っぱだけれど、ここにはニリンソウしかないので大丈夫よ」というとやすぐさま口に運ぶ、「うわーまずい!」との声、熱を通すとほとんど癖のないニリンソウですが、そのまま口に入れるとなるほど、癖がありました。
半袖に半ズボンで遊びに来ていたユウト君が、寒いと言いだし、ミノリちゃんが自分が着ていたジャンバーを脱いで、ユウト君の体を温めています。5年生になるとミノリちゃんたちは、上級生としての自覚が芽生えたのでしょうか? 下級生に対するお姉さんぶりを発揮している姿に、ほほ笑ましさを感じました。
傷の手当てを終えたソウキ君たち、5年のお姉さんたちと竹馬やタイヤころがしなど、春風が強く吹き荒れる中でも、高学年も低学年も一緒になって春の野原で遊びまわる、嬉しい新学年のスタートです。
3年生のショウゴ君に、「暖かくなったら生き物が出てくるよ」と話したことを、彼は覚えていて「今日は生き物は?」と私に迫ってきました。「ヤマアカガエルとその卵ならみられるよ」というと、「見たい、見たい!」と近くにいた子供たちと一緒にため池に走っていきました。
ゼリー状のヤマアカガエルの卵を手にしたユカちゃん「かわいい!」と卵をのぞきこんでいます。
ショウゴ君とユカちゃんは、カエルの卵を持って帰りたいと言いだし、おたまじゃくしになるまでは餌もいらないので持たせることにしました。
一学年一クラスの小さな学校で、クラスのお友達は変わらないけれど、それぞれの担任が替り、学年が一つ上になった子どもたちの、「つむぎの家」での新学期もスタートしました。
腕白盛りの3年生の男の子たちを、お姉さんらしく優しく接する5年生の女の子たち。自然の移り変わりに、この子たちの成長の姿が映し出されたような春の一日でした。