ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

全否定でよかったのか

2009-01-29 08:02:56 | Weblog
「天使か化け物か」1月23日
 自衛艦衝突事件について述べるコラムの中に、「習慣というものは、悪い行いに対する感覚を麻痺(まひ)させてしまう化け物ではあるけれど、一方、よい行いに対してもお仕着せを与え、次第に身につけるようにしてくれる天使でもあるのです」というハムレットのせりふが引用されていました。
さらに、「悪い習慣は化け物で、よい習慣は天使。なるほどうまいことを言う。新年を期して、化け物とは縁を切り天使を友にしようと一念発起した方もあろう。が、残念なことに習慣にはもう1つ、嫌らしい特徴がある。よい行いのはずだったのに、身につくにつれて天使から化け物に変わっていく習慣。「惰性」である」と続きます。
安倍内閣が、教育再生会議を立ち上げたとき、「再生」とは公教育は死んだという認識を表すものだといわれました。公教育の全否定だったのです。確かに、学校現場には、長年の間に天使から化け物にかわってしまったものもありました。しかし、天使であった習慣まで化け物と見なして退治してしまった面があったのではないでしょうか。
 学校選択制は、地域と学校のつながりを壊し、学校評価制度など競争原理の導入は、目に見えにくい校務を軽視する風潮を生みました。地道な授業改革よりも、目立つ活動の導入に重点が置かれるようにもなりました。わが国の学校、教員がもつよさとはなにだったのか、改めて考えてみる必要があるはずです。
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