ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

教員に週休3日制を

2017-06-18 07:54:35 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「勤務改革」6月7日
 『広がる週休3日制 佐川が導入、ヤマトも検討』という見出しの記事が掲載されました。『サービス業を中心に週休3日制を導入する企業が増え始めている』として、その現状と問題点を報じる記事です。
 記事によると、『週休3日制は、1日8時間の労働時間を延長することができる「変形労働時間制度」を活用。休日を1日増やす代わりに、労働時間を1日10時間に増やす』ものだそうです。この制度を教員にも導入することによって、教員の超過労働、サービス残業問題を解決することができるのではないかと考えます。
 以前もこうした発想があり、具体的に検討されたことがありました。そのときには、授業日数は減らさないままだったので、子供が登校していても担任教員がいない日があるという形でした。私はそうした動きに対して、反対の立場でした。担任の仕事は授業だけではなく、子供同士のトラブルへの対応や保護者との対応など多岐にわたり、担任不在の学校生活には、様々な支障が生じる可能性が高いと考えたからでした。
 そこで今回は、授業日数も週4日制にするという提案をしたいと思います。単に週当たりの授業日数を減らすだけでは、学力低下は避けられません。トータルとして授業時間数を減らさない工夫が必要になります。
 まず、長期休業日の短縮が考えられます。かつては6週間が標準的であった夏季休業日が、現在では1週間程度短縮され、8月の最終週には2学期が始まる学校が増えています。また、政府からは、経済振興策として、夏季休業日を減らして秋に移動させる案が出されています。つまり、暑い時期に勉強に集中できないから、という夏季休業日の位置付けが揺らいでいるのです。
 そうであれば、夏季休業日を、他の長期休業日と同じ2週間程度に削減し、授業日数を確保するという方法を採用することは可能であるはずです。それだけで22日分が確保できます。さらに、春季、冬季休業日をそれぞれ1週間短縮すれば、10日が確保できます。これで、学習指導要領が想定する難関授業時数は楽に確保できるのです。
 あるいは、就学期間を延長するという考え方のあります。かつて、自民党から義務教育を前倒しし、5歳から小学校入学という案が出されたことがありました。既にそうした提案があるのですから、抵抗感は少ないのではないでしょうか。
 1年間分の授業日数は210日程度ですから、週4日制導入による年間授業日数減の42日を補うためには、小中高の12年間を14年間にすればよいことになります。具体的には、5歳で小学校入学、19歳で高校卒業という形にするのです。人生60年の時代に12年だったものを、人生80年の時代には16年程度に延長しても、人生全体における学びの期間の割合は変わりません。ですから、14年ならなおさら問題はないはずです。
 私の提案には反対が多いはずです。しかし、現在の制度下では、教員のサービス残業を減らすことはできません。教員の多忙感もそのままです。しかも何もせずに放置すれば、今後ますます悪化することが予想されるのです。その行き着く先は、学校の崩壊です。教員志望者の減少です。教員の質の低下です。厳しい財政状況下、サービス残業をなくし、多忙感を減らす程の教員増は非現実的です。
 このくらい乱暴な提案をしなければ、せっぱ詰まった状況が理解されることもなく、対策はズルズルと後回しにされていくだけだと思い、こんな荒唐無稽な提案をしてみました。もし、文部科学省なり、教職員団体や全国校長会などが、こんな提案をすれば、少なくとも教員の働く環境に対する社会の注目度を高めることができるのではないでしょうか。

 

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