イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

KADIFEKALE(カディフェカレ)

2010-04-02 13:06:13 | イズミル暮らし・イズミル案内


イズミルを一望できる場所は?とイズミルで誰かに聞けば、きっと「KEDIFEKALE」と言う答えが返ってくるでしょう。KADIFEKALEは街の中心にありながら500年位昔のイズミルに迷い込んでしまったのでは?と思える一種独特の雰囲気の地域にあります。古い居住地域であるだけにトルコ語でGECEKONDU(ゲジェコンドゥ=不法建築で建てられた家)と言われる今にも壊れそうな家々が山の斜面の細い道の両側に軒を連ね、さすがの私も一人では絶対に足を踏み入れたくない、誰かトルコ人と一緒でもちょっと…と躊躇するような場所です。数年前に行った時も緊張しながらささっと景色を見てささっと帰った印象が強く残っています。





最近はイズミル市が景観の面(ここから眺める景色は最高なのに)でも治安の面でもあまり自慢できる場所ではないKEDIFEKALEのGECEKONDU地域を計画的に整地して市民の憩いの場にしようと言う動きがあるようです。既に300軒近いGECEKONDUが撤去されたそうです。





イズミルは紀元前3000年頃BAYRAKLI(バイラクル)のTEPEKULE(テペクレ)と言う場所に初めてSMYRNAⅠ(スミルナ)として築かれましたが紀元前545年にペルシャの侵攻により破壊されるとそれ以降TEPEKULEに都市が築かれることはありませんでした。
イズミルは次にマケドニアのアレクサンダー大王によって紀元前333年に築かれました。伝説によるとイズミルに来たアレクサンダー大王はKADIFEKALE辺りで猟をしている時に眠り込んでしまいます、夢に出てきた二人の女神が彼に新SMYRNAを今眠っている丘の麓に築く様に言ったのだそうです。それを信じたアレクサンダー大王の命令によりSMYRNAⅡ(現在のイズミル)がここに築かれたのだとか。


城塞の上を歩くのも自由、高所恐怖症の方は怖いかな。


お土産を売る人たちもいます。

KADIFEKALEはペルシャの侵攻を防ぐために築かれた城塞ですが、現在残っている遺跡はビザンツ時代のものだそうです。最近KADIFEKALEの発掘が始められ、新たに紀元前300年のオリジナルの遺構が発見されたと言うニュースがありました。アレクサンダー大王も見た遺構なのですね。


苔で覆われたSARNIC(サルヌチ=地下水槽)の跡。

今のところそんな壮大な歴史とは全く関係のない生活が繰り広げられているKADIFEKALEですが、きれいに整地されて普通の公園になるのと怪しい(?)庶民の笑い声や罵声が響くGECEKONDUとどちらがいいのでしょうね。






我がアパートの屋上からもKEDIFEKALEにはためくこのトルコ国旗が見えます。
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☆現在のイズミル☆



18 コメント

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Unknown (cake)
2010-04-02 20:24:38
勿体ないな~。私は古い物はそのままにしておければいいなと思います。歴史はお金では買えません。壊れた物は元には戻りません。普通の公園なんて、どこにでも造れるじゃありませんか。
と、こんなに遠くから吼えても、何もなりませんね。トルコには、遺跡は余っているのかも知れませんね。羨ましいなと思います。


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Unknown (ひよ)
2010-04-02 22:09:27
5枚目の太陽に輝く海の写真が、とっても美しいです~!治安がよくなるのは嬉しいことですが、周辺のザワザワもひっくるめての魅力だったりしますからね。いろいろな雰囲気を楽しめるステキな場所になってほしいですね。

"アレクサンダー大王も見た遺構"となると、一気に歴史が迫ってきたような気がして、わくわくとテンションが上がっちゃいます!(と言いつつ、頭の中にはなぜか、いすけんでるけばぶが・・・)
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cakeさん (yukacan)
2010-04-03 00:20:24
この城砦自体はもちろんこのまま保存されるのでしょうが、この周辺にへばりついているゲジェコンドゥ群が問題なのです。やっぱり都会の真ん中でちょっとした魔窟(?)の雰囲気なので色々な事件も起こっていますし。なんて私が住んでいるあたりももう少ししたらそんな風に言われるのかしら。
この日もちょっとした騒動があって機動隊と装甲車が来ていたんですよ。
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ひよさん (yukacan)
2010-04-03 00:23:51
この日は久しぶりの青空でとても空気が澄んでいたので夕焼けが美しかったのです。その時間まではいられたらさぞきれいだったでしょう。旅行者としては本当にこのゲジェコンドゥ付近は見ているだけだとミラクル!でとても楽しいのですが(ただし車の中から)歩いたり写真を写そうと言う気にはとてもなれないのはやっぱり問題ですよね。
歴史音痴の私でもアレクサンダー大王と言われればなんだかどきどきしてしまいます。そしてめぐっちさんがタイプが似ているとおっしゃった理由が分かったような気がしました。だって私も「いすけんでるけばぶ」!
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Unknown (Andi)
2010-04-03 07:00:23
トルコって本当に遺跡の宝庫ですね。それも、「現在と繋がっている歴史」然として存在しているところがすごい! イギリスの遺跡って、今とすごくかけ離れている「夢の世界」のものみたいなんですけど・・・こうして歴史に触れることが出来るってスバラシイと思います。ゲジュコンドゥの怪しい魅力(?)に関しては何とも言えませんが。

私は高所恐怖症なの。Yukacanさん、城壁の上歩いたの?怖くなかった?
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Unknown (そふぃー)
2010-04-04 00:14:53
古い古い歴史のある国なんですね、トルコは!!!
どの写真も美しいですね。

私も高所恐怖症なので、城塞の上を歩くのは、遠慮します。
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Andiさん (yukacan)
2010-04-04 05:32:44
現在と繋がっている歴史は、トルコ人にとって自分達とはあまり関係ないものだと思っているからかえって溶け合っているんじゃないかなあと思います。
旅人としてこのゲジェコンドゥに来たら無邪気に写真パチパチ撮っちゃったりしたかもしれないなあ。
高所が好きなわけではありませんが歩くのはそれほど抵抗ありませんでした。
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そふぃーさん (yukacan)
2010-04-04 05:34:49
トルコ自体の歴史はそれほど古いものではないけれど、それ以前の色々な歴史の層が面白いですよね。もう一度世界史年表を紐解いてみようかと思う今日この頃です。
そふぃーさんも高所恐怖症ですか。トルコはこういうところに手すりも何もないですからねー。遠慮しておいたほうが良いかもしれません。
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Unknown (ルザ)
2010-04-04 10:47:16
拝見させていただきました。
応援ポチ。
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Unknown (不思議な世界旅行)
2010-04-04 18:32:23
元は高台に造られた山城だったのですね。
不便な場所なこともあって開発から取り残されてきたのでしょうか。
風情はあるのでしょうが、周辺のスラム街(?)は地震には弱いんだろうなあ。
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