この週末はかなり冷え込み、外を歩くと久しぶりに凍えそうな思いをしました。イズミルでも恒例となりつつある「IZMIR JAPON FILMLERI FESTIVALI(イズミル日本映画祭)」が今年もイスタンブル日本総領事館主催で行われました。もちろんJIKAD(日本イズミル文化交流友好協会)もお手伝いをしています。
私が見た映画は「雪に願うこと」と「父と暮らせば」の2本。どちらも地方色の濃い映画だったので私にとっては懐かしかったり、方言が新鮮に聞こえたり、と映画の内容とは別の意味でも楽しめましたが、英語訳からのトルコ語字幕で(見なくてもいいのについ字幕を見てしまいます・・・)トルコ人に十分映画のよさが伝わったかなあと思いました。
「雪に願うこと」は北海道の「ばんえい競馬」が舞台となった映画です。「ばんえい競馬」をご存知ですか?私は昔北海道に住んでいた頃一度だけ帯広で「ばんえい競馬」を見たことがあります。
世界で唯一、北海道でのみ行われている形態の競馬である。一般の平地競走で使われているサラブレッド系種などの「軽種馬」は使わず、古くから主に農耕馬として利用されてきた体重約800-1200kg前後の「ばんえい馬」(重種馬)が、騎手と重量物を積んだ鉄製のそりを曳き、2箇所の障害が設置された直線200mのセパレートコースで走力と持久力を競う。(Wikipediaより)
もともとは、北海道開拓期に余興や催事として行われた、木材を運び出していた馬の力比べに起源を持つそうです。私がかつて見た「ばんえい競馬」はコースも泥だらけだったし馬にも農家のおじさん達が作業着姿で乗っていたような記憶があります。途中で動かなくなる馬あり、障害の坂を登り切れない馬あり、なんとものどかな光景だった思い出があるのですが、映画では「競馬」「レース」「ギャンブル」色が濃いものにかわってしまっていたようにも見えました。耕運機などの機械の導入が進むにつれ、農作業を馬にさせることが少なくなり、ばんえい馬の生産も減ってしまったようです。
「父と暮らせば」は大好きな宮沢りえ主演、原爆で父親を亡くしたことを自分のせいにし、幸せになることを自分に許さない娘に幽霊となって一緒に暮らし始めた父親が、何とかして娘を幸せしようとする姿が微笑ましくえがかれた映画でした。
トルコでは、何かとてつもないことが起こった時など安易に「ATOM BOMBASI GIBI(原爆のような)」と言う表現を使うのが私はいやなのですが、原爆の悲惨さを世界に伝えることは、唯一の被爆国である私たちのつとめだと思うのに、口で説明することは難しく、やはりこういう映像で実際の悲惨さの何百分の一でもいいから実感してもらえればなあと思いました。
帰り道、夕暮れのイズミルを寒さに震えながら歩きました。北海道の寒さには及ばないけれど・・・。
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「父と暮らせば」は私も観ました。日本にいた時は洋画ファンだったんですが、今は邦画が観たくてたまりません。
もうすぐひな祭りですね。ブログの衣替えが春の訪れを感じさせてくれます。
父と暮らせば、どこでご覧になったのですか?私も日本にいた時は邦画なんて見たこともなかったけれど、最近は洋画には着いていけません。
ひな祭り、お雛様出したよ。イギリスにも春の足音は聞こえてきましたか?
Andiさん、「英国王のスピーチ」が賞を受けましたね。ご覧になりましたか?
私は千歳ですけど!
あの足の太い馬結構好きなんです私。
テレビでしか見た事無いです、重い荷物を馬車に乗せて競うのですよね?
寒そうだけど、久しぶりにみるイズミルの夕暮れ。なんかいいですねぇ。同じ海辺でもイズミルはアンタルヤとまた違った風情がありますよね。久々に行ってみたくなりました。
シコふんじゃったの竹中直人さんのコミカルな演技には国内外問わず大爆笑の渦にさせる本物の力を感じましたね。
くれぐれもお身体ご自愛下さいね。
道産子かわいいですよね。あの重い荷物をのせて坂をのぼる苦しそうな馬を見るとかわいそうになりますけど、仕事をする馬ですものね。
りえちゃん、透き通っていてちょっと人間離れしているような気がします。アンタルヤでも映画祭あればいいですね。
イズミルの海辺の光景、懐かしいですか?海辺でくつろぐ人達の影を見ているとなんとなく幸せになります。