山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

くろんど園地・すいれん池(枯葉の船)

2013年04月20日 | 山野逍遥

Sii264

◆撮影:2010年5月5日、くろんど園地にて

(すいれん池)

2013413日(土) 

『山野逍遥』

<すいれん池>

[私市駅]1225→[月ノ輪滝]→1350[すいれん池]1610→[月ノ輪滝]→1726[私市駅]

◆所要時間:5時間01

<枯葉の船>

済ませねばならない仕事があり、私市駅に降り立ったときには時刻が既に12時を大きく廻っていた。それゆえ、前回の私市駅から“くろんど池”往復の所要時間より考えて“くろんど池”まで行くことは不可能だろうと思い、“くろんど池”で緑色のボートに乗ることを楽しみにしていたJ太郎には申し訳なかったが、目標地点を“すいれん池”と決め、今日もJ太郎の気の向く儘足の向く儘状態で歩み続けた。

J太郎が夢中になったことの一つに、前回同様、水の流れに葉っぱを浮かべることがあった。森中へと続く、まだ民家が散在するところの側溝にかなりの勢いの水流がある。その水上に枯葉を落とすのだが、この単純な行為にかなりの時間を費やした。「もうそろそろ行こうか」と僕が促さなければ、“すいれん池”にさえ到達することは出来なかったのではないだろうか。一度だけ枯葉ではなく、枝より青い葉っぱを一枚千切りお折り曲げ、結果的には上手く作れなかったようだが葉っぱの船らしきものを流れに置いた。それは保育園で教えてもらったものなのだろうか、J太郎は葉っぱの船を作ったつもりなのかもしれない。

二つ目は、“すいれん池”横の管理棟のベランダ隅で見つけた二匹の毛虫だ。蛾の仲間の幼虫だろうと思われる2cm程の毛虫相手にかなりの時間を費やした。毛虫を見つけたJ太郎は最初触れなかったのだが、僕の掌上で動く様子を見ていて暫くすると触ることができるようになった。毛虫は、僕の手からJ太郎の手へ、またその反対にJ太郎の手から僕の手へと、何度も何度も渡り歩いた。「潰したらあかんで」「強く押したら死んでしまうからあかんで」と僕は繰り返しJ太郎に言った。

三つ目はアスレチックだ。“すいれん池”の西端にちょっとしたアスレチックのようなものが設置されている。下部は丸太に似せたコンクリート製の階段、上部は鎖が階段状に張られているのだが、J太郎はそこを上りたいという意思表示をした。結果的には上部の鎖場を乗り越せず、自身で無理だと判断したJ太郎は丸太の階段を慎重に下り戻った。

四つ目はチューリップの花だ。人家へと繋がる10段ばかりの階段を上っていったJ太郎の先をみるとチューリップの花があった。赤と白、そして桃色の三種類の花が10本近くあった。J太郎と森中へと来るようになって、J太郎の方から花に興味を示したのは初めてのことのように思う。チューリップ以外にも、路傍にはメオドリコソウやタチイヌフグリ、シャガ、タンポポ、カラスノエンドウ、そしてアセビなどが開花していたが、それらにJ太郎は殆ど興味を示すことはなかった。

ところで森中で華やかな色彩を呈していたのは桜とミツバツツジだろう。葉桜へと変身し始めている桜の薄桃色の花弁と萌葱色の若葉が混在するその色彩は、もしかすれば満開のときのそれよりも美しいのかもしれない。またミツバツツジは華やかな紫色の色彩で森の其処彼処を彩っていた。また、モンシロチョウやキチョウ、そしてテングチョウの三種の蝶がJ太郎の眼前を舞ったのだが、それらはJ太郎の記憶に残ったのだろうか。

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