山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

くろんど園地(水舞台・池面の波紋)

2012年10月25日 | 山野走

Sii393

◆撮影:2012年9月15日、富士山にて

(タカネヒゴダイ)

20121012 日(金) 

『山野走』

<くろんど園地>

[私市駅]55300→[月ノ輪滝]→[すいれん池]→62558[くろんど池]63100(くろんど池コースの道)(さわわたりの路)(そよかぜの路)64309[展望台]64600→(管理道)→70723[キャンプ場]71000→(管理道)→(やまごえの路)72737[水舞台]7350074139[草原広場]74400→[すいれん池]→80628[私市駅]

<水舞台・池面の波紋>

駅へと歩むとき、東方の空に形のよい三日月が鮮明に浮かび、その左下に明星の金星があった。半ズボン姿であってもけっして寒くはない清けし秋の朝であった。

最後の民家に分かれを告げ森中へ入ってから、帰路、森に分かれを告げるまで誰に会うこともなく、森は僕の一人占めであった。昨夕刻19時過ぎの雷鳴と閃光のときに、私市の森中では僅かに降雨があったのかもしれない。足下はしっとりと水気を含み、乾いた状態よりも走りよい柔らかい道へと変化していた。

“やまごえの路”を下るとき、僕の胸は少し高揚する。それは、その下方に位置する“水舞台”がある謐然とした雰囲気が気にいっているからだろうと思う。ここに初めてやって来たのは今夏の826日で、今日で5回目だが、今朝の水舞台には過去4回には無かった自然現象があった。そして暫くの間その景色に僕の五感は、なかでも視覚と聴覚が虜になった。

“水舞台”は森中に位置する平凡な小さな池だが、背後に横幅10m以上、高さが3m以上もある大石が鎮座している。その池には“あめんぼ”が生息していて水面を駆け廻り池面に規則的な小さな丸い模様を其処彼処に創る。ところが今朝の池面にはもう一つの丸い模様が生まれていた。初めその模様が何故生じるのが解らなかった、しかし直ぐに判明し暫くの間僕の眼を釘づけにした。それは、池面に張り出した樹木の葉っぱから音も無く落ちる滴が水面に創り出す波紋であった。その水滴は昨日の降雨時に葉上に残っていたものなのか、それとも露時雨なのかは分からないのだが、池面に波紋が生じ至極ゆったりと円状に拡がってゆくのだ。拡がる波紋が消滅する前にまた池面の何処かで波紋が生じる。その繰り返しが継続する。この情景を見ているとき僕は長女を想った。彼女が生きていたならこの自然が創り出す造形美を、鉛筆デッサンで、また顔彩で画紙に如何に画くのだろうかと。時間が許すのなら、この水辺にもっと佇みこの情景を楽しみたいと思ったが、仕事の関係で9時までには自宅に戻らねばならない。それゆえ後ろ髪を引かれる思いで水舞台を後にした。

キャンプ場への上り坂を走るとき、足下に栗を見つけ3個拾った。我が家の仏壇に供えようと思った僕はリュックサックの横ポケットに大切に忍ばせた。

コメント
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