こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

考 え る 力 ①

2011-05-22 08:27:50 | Weblog
交流電流用の発電機は

出力を調整することが

基本的に

できない


交流の最大の特徴である周波数は

磁場を変化させる回転運動の割合が

規定する

回転数が多くなれば

電流と電圧も

変化に伴って増加する

反対に

少なくなれば

周波数は同じ割合で

減る方向へと変化する

回転数が下がれば

周波数は低くなり

電力(電流x電圧)は

絶えず不安定な状態へと

遷移する


電源に運動エネルギーを与えるための動力源は

安定した熱の供給を行うものでなければならない

発電所では

常に一定の熱を維持している必要がある

蒸気発電を成り立たせておくためには

水蒸気に圧力をかけ

高温になる条件を保っていなければならない


消費者が頑張って節電に励み

その情報がスマートメーターから

発電所へとフィードバックされる時代がやってきたとしても

発電所では

発電機の回転数を

勝手に変更する訳にはいかないのだ

それは

周波数だけでなく

電流電圧の変動も

一斉に生みだしてしまうものとなるからだ


燃焼炉の火を制御しようとすると

回転機の運動量が変化する

蒸気圧を変えることでもあるため

周波数を安定させておくことが

できなくなる

熱の低下は

生みだす電力の不安定化へと

直結し

周波数の乱れを

たちまち引き起こす


省エネ節電に励んだり

自然エネルギーの導入促進に勤しんだりしていても

その行為は

発電所の発電能力を

減らす効果を生み出さない

乱れた周波数は

交流送電の安全性を否定する

電圧と電流の状態も

同時に安定性を失ってしまうようになる


消費者に於ける温暖化を防ぐためのあらゆる努力は

電力会社の発電義務を

決して軽減しない

経済が停滞する不況期にだけ

発電所の稼働率が低下し

結果として

二酸化炭素などの二次生成物の放出割合を

減らす効果が得られる


産業用電力の需要を減らせば

発電所の燃焼炉を

一部

休止させておくことが

できる

家庭で消費する電灯用電力の需要を減らしても

起動済みの発電機が要求する熱を

減らすことはできない

単一の送電線を共有するインフラは

産業用および電灯用電力との

間にある電力需要の弁別を

求めない


対策とされている再生可能エネルギーは

電力会社の支援がなければ

本質的に成り立たない

つまり

代替能力そのものが

欠けている


事実関係を正しく知らないと

効果のない対策を推し進めるために

貴重な税から捻出された資本を

無為に費やすだけとなる


国の現状にみられる貧困の蔓延は

その結果のひとつであった

エネルギー部門だけでなく

経済対策の策定に於いても

認識の健全性が欠けていた

エコポイント制度は

実施期間中に於いてのみ

経済を刺激することができていた

制度が廃止になったとたんに

マイナスの要因へと転化した

消費行動を停止させてしまったことが

経済活動にブレーキをかける結果となった


経済を知らない者が

政策決定に関わると

国は劣悪化する

経済は停滞し

国民は

困窮の度を更に深めることになる


優れた政府は国を成長発展させるが

そうでない政府は

国を自ら殺める

只でさえこれらの人災に苦しんでいる国民に

自然災害と

それに伴う放射能災害までが

加わった


苦境の時にこそ

真価が問われるものなのだ

真相を知れば

誤りの度合いが見えてくる

眠っている考える力を呼び起こせば

真実を見る目が蘇生する

失ったものの大きさは

国の貧しさに

ひ と し い


判断能力の欠如は

被災地で公平性が保てないことを理由に

不足する毛布の配布をすべて停止させたり

また

炊き出しの継続を

保健衛生の面から

やめさせたりするほど

低劣な反応さえ生み出した

状況判断ができないと

救える命さえ

助けられなくなることが

ある


価値は生命の側にあり

権威がとり決めた制度などには

宿らない

責任を回避したがる性向は

高等教育を受けた者に

とりわけ顕著に顕れる


国の劣化は

心の劣化を強要するほどまでに

なった

これまでの教育の在り方は

ほんとうに

正しかったのだろうか


問われていることがらの

意味の重さというものが

未来へのみちしるべ
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