こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

無 知 蒙 昧 ➂

2016-10-30 09:17:15 | Weblog
現代文明を牽引してきた

先進諸国からなるその連合体は

二酸化炭素の排出量削減に手間取り

その濃度を

400ppmへと高めてしまった


この問題を打開しようとして

今年開催されたCOP21では

パリ協定なるものが合意され

ヒト起源の温室効果ガス

の代表的存在

であるCO2の排出量を

今世紀後半までの間で

ゼロ%にまで引き下げる

とする目標を設定し

その批准をなによりも

急いだ


国際的な連携活動

を強化することにより

その実施を加速させることが

可能と判断し

発効を速めることを

惑星全体

の急務だと心得た


五年ごとに成果を見直すタテマエだが

最初の総括段階で

名目上の効果をどれほど積み上げたとしても

実質的な温暖化防止

ができない

という事実に遭遇することは

COP3以降の無駄な年月で

夙に証明されているほど

それは

明かなこと


問題の本質を見誤っていることにすら

誰一人

未だ一向に

気付かない


最大の排出源となっている

火力発電所が

化石燃料の消費

を続けている以上

総ての国が

この国際条約を

批准成立させたところで

温室効果ガスの生産は

止まらずに

その後も一貫して

維持される


これまでがそうだった

これからもそうなのだ

問題の所在を見失っている以上

有効解を特定することは

要するに

不可能


交流送電に依存して成り立つ

あらゆるシステムは

必然的に温暖化を

募らせる


外部電源をどれほど多く増やしたとしても

火力発電所の燃焼炉で

火が燃やされている限り

温室効果ガスの発生は

永遠に

止まらない


交流電源というものは

出力を調整することが

つまり

できない

四六時中運転していることが

義務

という発電システムなのである


交流電流には

周波数という成分が不可欠

であり

このことが

外部電源を導入しても

二酸化炭素の排出量を

常に一定の状態で

保っている義務を

電力会社へと

課していた


発電機の回転数を変化させることが

あらゆる地域の

総ての電力会社に

できないというその事実を

世界が知らずにいた

ということが

温室効果ガスの濃度を

これまで高め続けさせていた

最大の理由


周波数とは

交流電流だけが持つ因子

極性の異なる磁石同士が

一定の速度で

円運動を継続することで

得られる成分のことであり

磁場変化を与えるための円運動が

起電力の強弱を決定する

最終因子


周波数の関与があったからこそ

高い発電能力が

うまく引き出せていた

磁石には

SとNからなる磁極がそれぞれにあり

その配置を工夫することによって

磁場変化の割合を高めている

回転速度が変化すれば

磁場変化の量は不安定化し

電圧変動と

周波数変動とを

同時に惹起する結果を得る

発電装置の回転数が安定性を失うと

エネルギーとして利用できない

電気の再生産を繰り返すようになる


周波数は常に一定の状態で

安定していなければならないものなのだ


Sから出た磁束は右向きの電流を発生させ

Nへと入る磁束が左向きの電流を生み出す

交流電流とは

180度異なったベクトルをもつ

二つの電流が形作る

正弦波をもつ電圧波形が

規定する複合体

上向きの波が右へと向かう電流なら

下向きの波は左へと向かう電流となる

交流を意味するオルタナティブ 

とは「もう一つの」電流の存在

を意味する


ACとは

二種類の電流が

交互に現れる

波の形態

をとることからオルタナティブ・カレンシー

とそう呼ばれるようになったもの


交流の意味を

正しく理解していた一般の知識人は

不幸にして

ミアタラナイ

それが実効なき温暖化対策

という概念を世に残した


電気回路はすべて

直流電流でなりたっているのだが

交流は一方通行の電路

でなければ成り立たない

送電するための技


電気製品の内部で整流することで

回路が形成されるようになっている


磁場変化の大きな交流電源だったからこそ

発電効率を高めることができていただけでなく

変(調)圧も容易である

という優れた特徴を

19世紀末までには

実用化させていた


このため

高圧の長距離送電が可能となり

電圧を高めることで

電流値を最小化し

電気抵抗が生む送電ロスを減らして

電力会社の収益に

寄与することができていた


だが

交流電流の持つこの特性こそが

止まらない温暖化

を生み出していた張本人だった

ということを業界の秘密主義が

韜晦することを容易ならしめていた


その結果

事実関係の確認を

世界規模で怠らせることに成功し

CO2濃度を一方的に高めつづける

ことで温室効果ガスを量産し

気候変動の脅威を

国連の環境部会が喧伝する

端緒となった


火力発電に文明が依存している限り

温室効果ガスの濃度は

一方的に

高まり続けて

絶対に止まらない


何故なら

周波数によって与えられる

正弦波と呼ばれるその波の形が

維持できていなければ

単一線上で電流同士が衝突する

という短絡を引き起こし

電力火災を至る所で発生させる

こととなる


このため電源系の最上流部では

端子の一方に

絶縁処理が施されるようになっており

電流同士の接触が成立しないよう

予め配慮されるようになっている


周波数の乱れは

火災の原因となっていたことがある

位相制御が徹底されるようになった現在

発電機の回転数が変化しても

危険性は特になく

単にエネルギーとしてとりだせなくなる

という程度の

軽い問題となって治まった


このような経緯と事情があったことから

交流電流は単一線上を

異なった二つの電流が流れ

その一方だけには電流がなく

電圧だけがある

という現在の交流送電の形態が残され

出力変動をすることができない

という決定的な欠陥が

化石燃料の絶えざる燃焼を

強制的に維持させている


世界中の国民が

束になって節電に励んだとしても

周波数を安定化させておく義務

を課されている電力会社には

発電機の回転数を

引き下げることが

何一つできなくなっていた


電力業界の秘密主義が

気候変動枠組みに関する条約の

改訂

を急がせた


これが止まらない温暖化を生み出して

成果不在のパリ協定の批准を

善と信じて急がせている


再生可能エネルギーへのシフトを急いでも

それによって

火力発電所で燃やされている化石燃料が

減った

ことを証明するデータは

確認されたものが

一つとして

ない


どんなに優れた発電機を開発しても

火力発電所が存続している以上

温暖化による気候の変動は

今後ますます荒れ狂い

緩和されることはなく

これからも末永くつづき

状況をより早く悪化せる

という結果の到来を

一途に早めるだけとなる


交流送電に無知であり続けている

世界中の指導者たちが

パリ協定を生み出して

五年経過した後になってから

己の蒙昧さに初めて

真相の持つ意味

を悟る

というシナリオが

来月早々にも

確定する手筈になっている


原油相場の動向に

市場が振り回されているうちは

気候の変動要因が

消え去ることは到底あり得ず

逆に増え続けるだけとなる


無知ほど怖いものは ない


間違った対策に拘ってきた時間の積



国際経済に強い負圧を

いま懸けている

地球環境に対しても

より強い淘汰圧を懸けるようになっている

この事実を文明が

長期間悟れずにいた

ということが

経済と環境に

トレードオフの関係を

築かせた


古来

これを自業自得と呼んできた


己の愚かさに気付いたとき

新文明の萌芽が兆す

その直前の

最もくらい状態のことを

暁闇という


問題の所在を知れば

有効解など

容易に引き出せる

知識の量的拡大に特化した

欧米型の教育制度の浸潤が

止まらない温暖化と

デフレ経済の長期化

をこの劣った文明へと連れてきた
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