こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

責 任 転 嫁

2018-02-18 10:22:09 | Weblog
この国に於ける根源的な問題

である財政赤字の果てしなき累増

という未解決の課題

とそれが導く経済全域に亘る

その本質を成す要素成分は

国債の利払いを巨額化し

金利の誘導目標を

マイナスへと強い力で

制御した


2%というインフレ目標を

事前に設定しておきながら

金利の上昇を

日銀に回避させ

デフレ経済という名の

重力圏からの脱出

を見はてぬ夢へと追いやった


小さな数値に過ぎない

目標水準の達成が

五年に及ぶ年月

を経ていながら

成果を得ることが

未だにできない

国の判断エラーによる多大なる損耗



国民へとこうして残された


金利の上昇を抑制する目的で

国債の買いとり実績を

債券市場に於いて

鋭意積み上げ

金利の低下を誘導するその一方で

株式市場に於いては

年金と日銀などの勢力による

買い出動で相場を賑わせ

市場の実績を根拠不明のまま

高値方向へと

率先して誘導しているその行為こそ

株価のソコアゲを支援して

損失を背負わせる動因

となって国民に遅れて作用する


GDPのコンマ以下

のレベルに過ぎない

ささやかな継続的な上昇

を根拠に

日本経済の成長を

株価が証明している

というコンセンサスを

成り立たせようとして

経済実勢を反映していない

複数の相場を足掛かりに

デフレ脱却の根拠にしようとする

その悪戦苦闘ぶりを

五年以上実施し続けていながら

インフレ目標の達成実現を

宣言できない状況を

自らの手で与えている

その姿はあはれ


インフレ目標を物価目標と言い換え

批判をかわそうとした

ということが

金利の上昇を伴わない

インフレの実現

というキッカイな論理で

異次元緩和の継続

を選択せざるを得なくした


ことの顛末は

経済政策として採用される直前

13年の段階で

既に明瞭なものとなっていた

結果の分かっていることを

意図的に実施した

という経緯を

経済史へと刻み付けた


目論見が果たすべき成果が

一向に見えてきていない

という粗末なこの現実こそ

明白な客観的証明


同じ病を抱えていたFRBは

緩やかな出口戦略を実施し

デフレからの圏外脱出に踏み切っても

日銀は現状の継続を維持すること

しか

できずにいる
    

最初のボタンを掛け違えた

ということが

五年の歳月を無為に費やすきっかけとなり

相変わらずそこから抜け出すことが

できなくさせたそのたった一つの理由であった


財政と金融を包摂する

政策判断の明らかな失敗を

消費増税で埋め合わせようと謀った

その特定の傾斜が

インフレ目標の達成を遠ざけた


経済認識能力に欠けた政策判断のあれこれ

がこの五年間で

繰り返し証明されている

毎年80兆円の流動性を

市中へと注入しておきながら

何もなかった

では済まされまい


選良と官僚とによる

野合の果てに

日本経済に強い負圧

をかけていること

を何一つ考慮しないまま

禁じ手である赤字国債の

条件付き単年度発行を

長期間継続しつづけてきた

ということが政府債務の山を

高からしめた


時限立法という応急措置を

常套手段へと切り返す手法で

繰り返し続けてきた

ということが

千兆円を優に突破した

債務規模の累増の結果

となって国民へと

残された


国民が負った債務でないことは

いうまでもないことだ

政策判断を誤認した第一当事者

である選良と

第二当事者である官僚機構とが

国民に背負わせた負債の返済

にすべての当事者が関わることを避け

責任のない納税義務を賦与された

無辜の国民に担税賦課を強化して

自らの責任を免れようとしたのが

悪名高いあの消費増税

という名称で知られる

余りにも不毛な下卑た選択肢


高度化を極めた高等教育は

知識階級から批判精神を奪い

問題の本質を韜晦しながら

病状を緩慢に悪化させ続けている


バブル経済の崩壊は

要するに

国会の不首尾がその起源

失われた十年を

倍の二十年へと拡張したのも

国会の成員による

経済認識能力の不在

が禍となって作用した

その結果


巨大化した累積債務の重さ

というものが

金利の上昇を忌避する風土を成り立たせ

増税で対応したがる

官僚に固有の風潮を生み育て

自らは責任をとらない

とする体質へと変容させてきた

過去の経緯に由来する

責任転嫁


己の不始末を理解することが

未だにできていない

選良と官僚の双方が

金利の上昇を妨害して

インフレシフトを積極的に

阻んでいる


このような訳で

日本経済がデフレから抜け出す機運

の到来は

ほぼ永遠に失われてしまった

と言わざるを得ない


インフレの定義は

貨幣価値の下落を意味する

物価が高くなったのは

確かに通貨価値の毀損

を表す指標ではあるのだが

金利の上昇が帯同していないのなら

貨幣価値の総体的下落

であることを意味しない

これがインフレ目標を

物価目標へと言い換えさせた

その理由

政府日銀の姿勢と

その変化を無批判に受け入れてきた

抽象名詞としての知識階級に

共通にみられる

有害なバイアスの起源


既に行き詰っている

この国の指導体制の欠陥

を健全化し

是正による有益化を図るためには

判断能力が試される部分

または全体を

AI化する以外に

有効な道はなかろう


私心なき指導体制の存立

こそが

国民の真の利益

日本の国家予算は

毎年の補正を加えた段階で

100兆円に達する規模

アメリカの国家予算の規模は

日本のほぼ五倍

人口比でみると

日本の人口は於一億二千万人

であるのに対し

アメリカのそれは三億二千万人

予算規模の違いには

機軸通貨発行権のもつ

特殊な権能とそれに付随する役割が

共に貢献している


ローカル通貨に過ぎない円の発行権

でFRBの後に続こうとするのは

いかにも無謀かつ無軌道

ここに問題認識能力の差

が大きく関わっている


異次元緩和は覚醒剤のごときもの

一度手を出すと

意思の力では

止められなくなる

問題の所在を知らない馬鹿者が

賢しら顔でよく嵌りこむ

世界がこれ

嗜癖となった習慣は

ただ単に

有害な結果だけを

そこへと残す


金融政策と経済政策との

重複した失敗の

政府と日銀双方による実例は

当事者に於いて

その責任をとるよう

指導体制の延長

という結果を確定させる

失敗の連鎖

が生み出した明らかに異常な

金融緩和政策の

異次元規模の

力任せの長期的介入は

そこに関わった者の

敵前逃亡を許さない

という方向で落着する
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