戦後長期間つづいていた
イデオロギー対立の時代が変化し
鉄のカーテンと呼ばれていた
米ソ間の冷戦構造が消えたのは
マルタ島沖の艦船上で
当時の米大統領だったパパブッシュ
と
ソ連共産党書記長ゴルバチョフ
とが
1989年12月2日から3日にかけて
軍事的対立に終止符を打つ
ための合意を成立させたからだった
相互に直面する状況となっていた
当座の脅威
を予期せずに失った格好のアメリカは
軍事予算を増やすための理由
をその直後から
喫緊の課題として
探さざるを得なくなっていた
軍事予算を減らすことになる
などとは
誰もが考えていなかったからである
新たな敵を大急ぎで作り出す
その必要に迫られたアメリカ
の軍産複合体制は
不自然なほど突発的に発生した
湾岸戦争に助けられ
最新鋭の兵器と映像情報を
そこで世界中に
具体的且つ詳細に
指し示すことができたことから
米軍の存在意義を
世界中にこの時
知らしめることに成功した
マルタ会談の翌年
90年8月2日に
湾岸戦争がついに始まった
イラクがクェートを予告なく侵略し
その報復戦という位置づけ
の戦争だった
世界の平和を守る保安官としての立場
を以前から自負していたアメリカは
理由のないクェート侵攻を行ったイラク
を討伐するための攻撃
であることを強調し
NATO加盟国を中心とする
多国籍軍を急遽編成し
イラクに対する集中攻撃を
入念な準備を
半年ほどの時間をかけて実施し
戦争状態へと突入した
敵のプレゼンスを
常に必要としているアメリカは
戦闘に於ける行動の
合目的性を敢えて強調することで
自らを正当化する
という手続きを踏むことを
常套手段として心得る
真珠湾攻撃を日本海軍に
先制攻撃を仕掛けさせ
被害状況を米国民に訴えた上で
全米規模の報復感情を
煽りに煽った
日本軍に対する確定済
となっているこの事例や
ベトナム戦争の理由となった
トンキン湾事件を演出した
その事実のみならず
9.11を事前に防遏することなく
易々と実行させてしまったことで
後のイラク戦争を
テロとの戦いという名目で
合理化した一連の史実
などがアメリカのもつ
戦争を合理化するための傾向の存在を
よく物語っている
それが好戦的なアメリカの持つ
行動原理であるということを
連綿たる事実の山が傍証となっている
これら時系列で整理された史実
の記録と経過が
数多く世界史に残されている
クェートを攻略したイラクの意図は
当時から不明であった
CIA周辺からの使嗾があった
という可能性も当時指摘されていた
扇情的な間接情報を跋扈させた
とする報告は証言者自らが
その後認めている
米軍のもつ攻撃能力の高さを
なにはともあれ
結果として世界中に示したことで
リビアのカダフィを自発的に帰順させる
という意図せざる効果も
誘導する結果となった
先般北朝鮮を名誉ある譲歩(帰順)
へと導いたのは
力による示威行動を突き詰めていった
その結果として与えられたもの
という点で
それぞれに共通する経過の痕跡が
二重写しとなって
歴史の残像を結んでいる
パパブッシュは湾岸戦争の戦費調達を
増税という方法で賄った
それが通常2期8年つづく予定の大統領職を
1期4年で終らせた
その後民主党のクリントン政権が後を襲い
定例の二期八年
を多くの問題を残しながらも
務めあげ
ソ連の自己崩壊とそれによる自由化の波
がドル経済圏の拡大を促した
この僥倖が加わったことによって
双子の赤字を黒字化したものの
ブッシュジュニアがイラク戦争で
蕩尽してしまったのだった
そのキッカケとなった
同時多発テロの犠牲となった
軍産複合体制を支持基盤
とする共和党政権は
ソ連の核と
リビアが開発していた戦術核の脅威
を消し去った後の時代で
米国民に一致団結するための
政治的危機
を新たに創り出す必要性
に改めて強く迫られる
ようになったのだった
9.11が発生したその背景には
アメリカの軍事力が
世界の平和を維持している
と自負する共和党政権に通有する
独善的な矜持があった
そこで冷戦が終結を迎えた後
テロとの戦いを標榜することにより
9.11の首謀者二名
をアフガニスタンの禿山に
追いつめておきながら
意図的に取り逃がすことで
イラク戦争へと突入するための
理由
を作り出すための陰謀を巡らし
アフガニスタン侵攻を含めて
十年に及ぶ中東での戦闘が
続くにようになったのだった
テロとの戦いだけでは
長期戦の理由としてはまことに不十分
そこで
大量破壊兵器の実戦配備をイラクが実施した
とするCIAからの情報を根拠に
多国籍軍の招集を再び行った
というところから
イラク戦争が始まった
その情報が虚偽であったとする事実が
その後発覚し
アメリカがその事実を認めたことで
イラク戦争に於けるアメリカの敗戦が
ついに確定する結果となったのである
中東を全般体に支配する重石
として機能していたイラクのフセイン政権を
アメリカが強引に民主化した
というそのことが
クルド人勢力と
地方軍閥双方の支えとなり
力による再支配を目論む勢力が
一斉に台頭し
ついにはイスラム国さえ
生み落す事態となった
イラク戦争がつづいていた間
テロ組織の陽動作戦として一般化していた
相次ぐ自爆テロによる攻撃が
宗派間の対立を亀裂へと変え
修復不可能な乖離をより一層深めた
これら一連のアメリカによる謀略と
テロ組織とによる反抗とが
世界的混迷を生む原点
となっただけでなく
増税抜きで戦費調達を図ったそのために
自然災害を理由とする原油相場の
長期的高騰を自ら演出し
国際経済全体に
エネルギーコストの上昇を強制
する結果を押し付けたそのことが
経済成長を長期間低迷させる
原動力となって人知れず
地球規模の作用と
反作用とを相次いで派生させたのだった
原油相場を高騰させたそのツケ
が過剰流動性の圧力となって反作用し
ドル余り現象を起源とする
信用経済の破綻
を意味するリーマンショックへと繋がった
イラク戦争を継続するための戦費調達を
原油相場の長期的高騰で賄っていたアメリカは
過剰供給したドルを回収する必要性に迫られ
資本の還流を目指して
その仕向け先を北米大陸へと絞り込み
サブプライムローン市場を債権化することで
過剰流動性の解消を目論んだ
これが2008年のドル余り現象による
リーマンショックへと繋がって
G20と呼ばれる新体制
が慌ててつくられた
現在注目の対象となっている北朝鮮の核
は未完成状態で頓挫したまま
の状況下で推移しており
地下核実験場となったその山塊は
自己崩落する結果と遭遇したことによって
膠着状態へと陥らざるを得なくなる
その重大な契機となった
核の脅威をアメリカに与えるつづけることは
これで不可能となってしまったのである
そのタイミングで北朝鮮包囲網
が一斉に敷かれたことから
金正恩体制は孤立したものの
冬季オリンピックの開催が
南北融和の機運を俄かに高めることとなり
アメリカに対する北の挑発に
鉾を納めさせるための
きっかけとなる偶然を与えたことから
対立姿勢の方向転換をするための
絶好の機会となった
このような偶発的というべき
個々の経過とその推移などが
膠着状態となっていた関係性
を改めるためのまたとないチャンス
となった
倖いは窮した後でやってくる
力による駆け引きというものは
力関係の確認を経た後に
一気呵成に安定化へと向かう
という通例をまたしても補強した
考えすぎて判断を誤ると
用意されていた落としどころ
を見失う
北朝鮮は既に方針を
不退転であるとして公表した
信頼関係を失っているにせよ
最早後戻りすることは
できない
またその気もなかろう
唐突に消失した抵抗するための理由を
外野が勝手に騒ぐことで
道を閉ざし
緊張を甦らせてしまうことほど
愚かなる展開は
他にない
情報分析能力が
健全なものであるのなら
アメリカは新たなる敵の創出
にほどなくして腐心する立場
へと追い詰められる
軍産複合体制が新たなる脅威
の導出に失敗しなければ
極東の米軍基地の延命は
可能
敵の創出に失敗すれば
米軍基地の存在理由は
一瞬で消え去る
北米大陸の失業率は
健全性を保っていることが
それ以降最早困難となり
国際経済をより一層
不安定化させることとなる
変化の波はこのようにして
想定の範囲を超えて
遠くの領域にまで
大きく波及する
予測不能な変化を
避けることは
誰にもできない
イデオロギー対立の時代が変化し
鉄のカーテンと呼ばれていた
米ソ間の冷戦構造が消えたのは
マルタ島沖の艦船上で
当時の米大統領だったパパブッシュ
と
ソ連共産党書記長ゴルバチョフ
とが
1989年12月2日から3日にかけて
軍事的対立に終止符を打つ
ための合意を成立させたからだった
相互に直面する状況となっていた
当座の脅威
を予期せずに失った格好のアメリカは
軍事予算を増やすための理由
をその直後から
喫緊の課題として
探さざるを得なくなっていた
軍事予算を減らすことになる
などとは
誰もが考えていなかったからである
新たな敵を大急ぎで作り出す
その必要に迫られたアメリカ
の軍産複合体制は
不自然なほど突発的に発生した
湾岸戦争に助けられ
最新鋭の兵器と映像情報を
そこで世界中に
具体的且つ詳細に
指し示すことができたことから
米軍の存在意義を
世界中にこの時
知らしめることに成功した
マルタ会談の翌年
90年8月2日に
湾岸戦争がついに始まった
イラクがクェートを予告なく侵略し
その報復戦という位置づけ
の戦争だった
世界の平和を守る保安官としての立場
を以前から自負していたアメリカは
理由のないクェート侵攻を行ったイラク
を討伐するための攻撃
であることを強調し
NATO加盟国を中心とする
多国籍軍を急遽編成し
イラクに対する集中攻撃を
入念な準備を
半年ほどの時間をかけて実施し
戦争状態へと突入した
敵のプレゼンスを
常に必要としているアメリカは
戦闘に於ける行動の
合目的性を敢えて強調することで
自らを正当化する
という手続きを踏むことを
常套手段として心得る
真珠湾攻撃を日本海軍に
先制攻撃を仕掛けさせ
被害状況を米国民に訴えた上で
全米規模の報復感情を
煽りに煽った
日本軍に対する確定済
となっているこの事例や
ベトナム戦争の理由となった
トンキン湾事件を演出した
その事実のみならず
9.11を事前に防遏することなく
易々と実行させてしまったことで
後のイラク戦争を
テロとの戦いという名目で
合理化した一連の史実
などがアメリカのもつ
戦争を合理化するための傾向の存在を
よく物語っている
それが好戦的なアメリカの持つ
行動原理であるということを
連綿たる事実の山が傍証となっている
これら時系列で整理された史実
の記録と経過が
数多く世界史に残されている
クェートを攻略したイラクの意図は
当時から不明であった
CIA周辺からの使嗾があった
という可能性も当時指摘されていた
扇情的な間接情報を跋扈させた
とする報告は証言者自らが
その後認めている
米軍のもつ攻撃能力の高さを
なにはともあれ
結果として世界中に示したことで
リビアのカダフィを自発的に帰順させる
という意図せざる効果も
誘導する結果となった
先般北朝鮮を名誉ある譲歩(帰順)
へと導いたのは
力による示威行動を突き詰めていった
その結果として与えられたもの
という点で
それぞれに共通する経過の痕跡が
二重写しとなって
歴史の残像を結んでいる
パパブッシュは湾岸戦争の戦費調達を
増税という方法で賄った
それが通常2期8年つづく予定の大統領職を
1期4年で終らせた
その後民主党のクリントン政権が後を襲い
定例の二期八年
を多くの問題を残しながらも
務めあげ
ソ連の自己崩壊とそれによる自由化の波
がドル経済圏の拡大を促した
この僥倖が加わったことによって
双子の赤字を黒字化したものの
ブッシュジュニアがイラク戦争で
蕩尽してしまったのだった
そのキッカケとなった
同時多発テロの犠牲となった
軍産複合体制を支持基盤
とする共和党政権は
ソ連の核と
リビアが開発していた戦術核の脅威
を消し去った後の時代で
米国民に一致団結するための
政治的危機
を新たに創り出す必要性
に改めて強く迫られる
ようになったのだった
9.11が発生したその背景には
アメリカの軍事力が
世界の平和を維持している
と自負する共和党政権に通有する
独善的な矜持があった
そこで冷戦が終結を迎えた後
テロとの戦いを標榜することにより
9.11の首謀者二名
をアフガニスタンの禿山に
追いつめておきながら
意図的に取り逃がすことで
イラク戦争へと突入するための
理由
を作り出すための陰謀を巡らし
アフガニスタン侵攻を含めて
十年に及ぶ中東での戦闘が
続くにようになったのだった
テロとの戦いだけでは
長期戦の理由としてはまことに不十分
そこで
大量破壊兵器の実戦配備をイラクが実施した
とするCIAからの情報を根拠に
多国籍軍の招集を再び行った
というところから
イラク戦争が始まった
その情報が虚偽であったとする事実が
その後発覚し
アメリカがその事実を認めたことで
イラク戦争に於けるアメリカの敗戦が
ついに確定する結果となったのである
中東を全般体に支配する重石
として機能していたイラクのフセイン政権を
アメリカが強引に民主化した
というそのことが
クルド人勢力と
地方軍閥双方の支えとなり
力による再支配を目論む勢力が
一斉に台頭し
ついにはイスラム国さえ
生み落す事態となった
イラク戦争がつづいていた間
テロ組織の陽動作戦として一般化していた
相次ぐ自爆テロによる攻撃が
宗派間の対立を亀裂へと変え
修復不可能な乖離をより一層深めた
これら一連のアメリカによる謀略と
テロ組織とによる反抗とが
世界的混迷を生む原点
となっただけでなく
増税抜きで戦費調達を図ったそのために
自然災害を理由とする原油相場の
長期的高騰を自ら演出し
国際経済全体に
エネルギーコストの上昇を強制
する結果を押し付けたそのことが
経済成長を長期間低迷させる
原動力となって人知れず
地球規模の作用と
反作用とを相次いで派生させたのだった
原油相場を高騰させたそのツケ
が過剰流動性の圧力となって反作用し
ドル余り現象を起源とする
信用経済の破綻
を意味するリーマンショックへと繋がった
イラク戦争を継続するための戦費調達を
原油相場の長期的高騰で賄っていたアメリカは
過剰供給したドルを回収する必要性に迫られ
資本の還流を目指して
その仕向け先を北米大陸へと絞り込み
サブプライムローン市場を債権化することで
過剰流動性の解消を目論んだ
これが2008年のドル余り現象による
リーマンショックへと繋がって
G20と呼ばれる新体制
が慌ててつくられた
現在注目の対象となっている北朝鮮の核
は未完成状態で頓挫したまま
の状況下で推移しており
地下核実験場となったその山塊は
自己崩落する結果と遭遇したことによって
膠着状態へと陥らざるを得なくなる
その重大な契機となった
核の脅威をアメリカに与えるつづけることは
これで不可能となってしまったのである
そのタイミングで北朝鮮包囲網
が一斉に敷かれたことから
金正恩体制は孤立したものの
冬季オリンピックの開催が
南北融和の機運を俄かに高めることとなり
アメリカに対する北の挑発に
鉾を納めさせるための
きっかけとなる偶然を与えたことから
対立姿勢の方向転換をするための
絶好の機会となった
このような偶発的というべき
個々の経過とその推移などが
膠着状態となっていた関係性
を改めるためのまたとないチャンス
となった
倖いは窮した後でやってくる
力による駆け引きというものは
力関係の確認を経た後に
一気呵成に安定化へと向かう
という通例をまたしても補強した
考えすぎて判断を誤ると
用意されていた落としどころ
を見失う
北朝鮮は既に方針を
不退転であるとして公表した
信頼関係を失っているにせよ
最早後戻りすることは
できない
またその気もなかろう
唐突に消失した抵抗するための理由を
外野が勝手に騒ぐことで
道を閉ざし
緊張を甦らせてしまうことほど
愚かなる展開は
他にない
情報分析能力が
健全なものであるのなら
アメリカは新たなる敵の創出
にほどなくして腐心する立場
へと追い詰められる
軍産複合体制が新たなる脅威
の導出に失敗しなければ
極東の米軍基地の延命は
可能
敵の創出に失敗すれば
米軍基地の存在理由は
一瞬で消え去る
北米大陸の失業率は
健全性を保っていることが
それ以降最早困難となり
国際経済をより一層
不安定化させることとなる
変化の波はこのようにして
想定の範囲を超えて
遠くの領域にまで
大きく波及する
予測不能な変化を
避けることは
誰にもできない