戦後になってから始まった
所謂欧米型の高等教育
というものは
今や
他者を差別化するための手段
となり果て
競合他者の学力差を
テストを通じて見定めることで
より優れた能力をもつ
と思われる学生を
選抜して雇用するための手段
となって既に久しい
その結果国民が有する知識
は量的に拡大したが
知識の意味を深く理解する必要がある
質的向上を目指す
ために使うべき時間は
却って疎んじられることとなり
ひたすら間口を押し広げようとする
横方向のベクトルが働く
という時代を引き寄せた
横方向の上滑りを伴う
既存の教育姿勢を
当事者のすべて
が積極的に受け入れて
今日の逼塞した状況が
国民の暮らしを
すっぽりと蔽っている
知識の量的拡大を推進しようとして
深く考慮するための時間
を設ける必要性が否定され
少しでも多くの
あたらしい知識と分野
に触れるための文科省による
さまざまな教育支援
と指導とを善と信じて横行させる
制度
への変更を広く受け容れ
価値の新基準として
人為的に採用させた
こうして思考力を涵養しない教育
を率先して進めることが当然視されるようになり
判断能力を試される機会
を丸ごと失った多くの学生は
自主的行動を問われた際に
権威からの指示
があるまでひたすら待つ
という受け身の姿勢しかとれなくなった
指示待ち世代という表現は
このような経緯によって誕生した
判断能力を失った最初の世代は
現在指導体制の中枢へと上り詰め
多くの異なった産業分野で
誤った判断を下し
一斉に頭を下げる映像が
毎日のように報道される事態
を生んだ
教育の高等化は
知識の量を増やしはしても
その意味を咀嚼するための時間を惜しみ
質の劣化を反対に速めた
指導体制に組み込まれた
その先端部分で
国を牽引するようになった
戦後教育を受けて育った世代
が指導階層を占めるようになり
己が閲してきた経過を
是非を問わずに受け容れて
より洗練した学歴社会を築き上げてきた
これら一連の経過の関与
というものが
個人の思考力を大きく低下させただけでなく
判断能力をも劣化させると同時に
批判精神さえ失わせて
企業の指導体制に属するトップら
が
打ち揃って謝罪する姿が
情報メディアをこのところ
連日のように賑わせている
教育制度が内包するその欠陥が
70年以上の時を経て
水面へと浮上してくる時代
がこうしてついにやってきた
思考力の欠如は
知識階級であればあるほど深刻化しており
政策判断では誤りを積み上げて
国の劣化を急がせた
中でも
一向に止まらない温暖化対策へと向けた
国家予算のすべて
が無効なものになっており
投資効果を何一つ引き出せないまま
有効需要の創出に
失敗を只重ね続けているその事実に
気付くことすらもできずにいる
京都議定書からパリ協定へとシフトした
最先端部分の認識の変化こそ
その何よりの有力な証拠となった
経済政策判断に於いても
その弊害が顕在化しており
インフレ目標を定めたものの
四年間で300兆円以上
の流動性供給を注ぎ込んでおきながら
インフレ目標を達成することができず
物価上昇目標
へと言い換えたことで
かろうじて体面を保つ風情を
演出せしめた
マイナス金利へと金融政策を変更し
低金利を長期化させて
デフレ傾斜を強化し
経済から健全性
を執拗なまでに
奪い続けてきた
この顛末こそ
高等教育が行き着いた
不毛の岸辺
株式市場は官制相場で下駄を履き
為替市場でも円安誘導を併用したことで
株価の上昇が合理的
であるかのように見せかけた
指導体制が導いたこれらの不健全性
のすべてが
これほどまでに増長したことから
安心と安全を買うための総選挙では
寄る辺を失った国民が
しようことなく保守化した
民主主義の成否は
要するに教育で決まるのだ
多数派からなる分母成分
が量的に拡大すると
分子成分は質的に劣化する
野球に例えれば
打率の低下は打席の増加
で定まる
民主政治に備わる固有の欠陥は
この点に集約できる
国民の判断能力が健全であるならば
思考力は刺激を受けて活性化し
批判精神は応分に高まって
それが誤った判断であることを
当事者全員が気付くことに寄与する
ところが
知育偏重に特化した
学力重視の戦後教育の積み重ねが
国家全体を誤った方向へと
誘導することを許し
失った批判精神で
陥って得た無駄な錯誤を
国民にそれと気づかせる機会
を失ってしまった
機能しなくなったフィードバック回路は
状況を却って一層早く劣化させ
国全体に大きな負圧をかけることとなる
失われた二十年と重なる
財政状況の一方的悪化は
先般ついに千兆円の大台を突破
するに至った
これこそが判断能力の欠如
を示すなによりのその証拠
省益の拡張と党益の膨張を
謀った欲望の連鎖を生んだ
合作つまり野合の末てに
国家経済のみならず
国民全体を消費増税で
いま大いに苦しめている
その理由
歳出欠陥であることを承知していながら
歳入欠陥を補うための増税措置
だと総員がそう思い込もうと努めている
ということが
景気の低迷を余計に長引かせる経過
をこの国へと連れてきた
これら不都合な経過の一切は
教育制度の不備に基づく
現状認識さえできない
指導体制に国の将来を委ねた
その結果として与えられたもの
高学歴で思考力の乏しい指導者
ほど有害なものはない
所謂欧米型の高等教育
というものは
今や
他者を差別化するための手段
となり果て
競合他者の学力差を
テストを通じて見定めることで
より優れた能力をもつ
と思われる学生を
選抜して雇用するための手段
となって既に久しい
その結果国民が有する知識
は量的に拡大したが
知識の意味を深く理解する必要がある
質的向上を目指す
ために使うべき時間は
却って疎んじられることとなり
ひたすら間口を押し広げようとする
横方向のベクトルが働く
という時代を引き寄せた
横方向の上滑りを伴う
既存の教育姿勢を
当事者のすべて
が積極的に受け入れて
今日の逼塞した状況が
国民の暮らしを
すっぽりと蔽っている
知識の量的拡大を推進しようとして
深く考慮するための時間
を設ける必要性が否定され
少しでも多くの
あたらしい知識と分野
に触れるための文科省による
さまざまな教育支援
と指導とを善と信じて横行させる
制度
への変更を広く受け容れ
価値の新基準として
人為的に採用させた
こうして思考力を涵養しない教育
を率先して進めることが当然視されるようになり
判断能力を試される機会
を丸ごと失った多くの学生は
自主的行動を問われた際に
権威からの指示
があるまでひたすら待つ
という受け身の姿勢しかとれなくなった
指示待ち世代という表現は
このような経緯によって誕生した
判断能力を失った最初の世代は
現在指導体制の中枢へと上り詰め
多くの異なった産業分野で
誤った判断を下し
一斉に頭を下げる映像が
毎日のように報道される事態
を生んだ
教育の高等化は
知識の量を増やしはしても
その意味を咀嚼するための時間を惜しみ
質の劣化を反対に速めた
指導体制に組み込まれた
その先端部分で
国を牽引するようになった
戦後教育を受けて育った世代
が指導階層を占めるようになり
己が閲してきた経過を
是非を問わずに受け容れて
より洗練した学歴社会を築き上げてきた
これら一連の経過の関与
というものが
個人の思考力を大きく低下させただけでなく
判断能力をも劣化させると同時に
批判精神さえ失わせて
企業の指導体制に属するトップら
が
打ち揃って謝罪する姿が
情報メディアをこのところ
連日のように賑わせている
教育制度が内包するその欠陥が
70年以上の時を経て
水面へと浮上してくる時代
がこうしてついにやってきた
思考力の欠如は
知識階級であればあるほど深刻化しており
政策判断では誤りを積み上げて
国の劣化を急がせた
中でも
一向に止まらない温暖化対策へと向けた
国家予算のすべて
が無効なものになっており
投資効果を何一つ引き出せないまま
有効需要の創出に
失敗を只重ね続けているその事実に
気付くことすらもできずにいる
京都議定書からパリ協定へとシフトした
最先端部分の認識の変化こそ
その何よりの有力な証拠となった
経済政策判断に於いても
その弊害が顕在化しており
インフレ目標を定めたものの
四年間で300兆円以上
の流動性供給を注ぎ込んでおきながら
インフレ目標を達成することができず
物価上昇目標
へと言い換えたことで
かろうじて体面を保つ風情を
演出せしめた
マイナス金利へと金融政策を変更し
低金利を長期化させて
デフレ傾斜を強化し
経済から健全性
を執拗なまでに
奪い続けてきた
この顛末こそ
高等教育が行き着いた
不毛の岸辺
株式市場は官制相場で下駄を履き
為替市場でも円安誘導を併用したことで
株価の上昇が合理的
であるかのように見せかけた
指導体制が導いたこれらの不健全性
のすべてが
これほどまでに増長したことから
安心と安全を買うための総選挙では
寄る辺を失った国民が
しようことなく保守化した
民主主義の成否は
要するに教育で決まるのだ
多数派からなる分母成分
が量的に拡大すると
分子成分は質的に劣化する
野球に例えれば
打率の低下は打席の増加
で定まる
民主政治に備わる固有の欠陥は
この点に集約できる
国民の判断能力が健全であるならば
思考力は刺激を受けて活性化し
批判精神は応分に高まって
それが誤った判断であることを
当事者全員が気付くことに寄与する
ところが
知育偏重に特化した
学力重視の戦後教育の積み重ねが
国家全体を誤った方向へと
誘導することを許し
失った批判精神で
陥って得た無駄な錯誤を
国民にそれと気づかせる機会
を失ってしまった
機能しなくなったフィードバック回路は
状況を却って一層早く劣化させ
国全体に大きな負圧をかけることとなる
失われた二十年と重なる
財政状況の一方的悪化は
先般ついに千兆円の大台を突破
するに至った
これこそが判断能力の欠如
を示すなによりのその証拠
省益の拡張と党益の膨張を
謀った欲望の連鎖を生んだ
合作つまり野合の末てに
国家経済のみならず
国民全体を消費増税で
いま大いに苦しめている
その理由
歳出欠陥であることを承知していながら
歳入欠陥を補うための増税措置
だと総員がそう思い込もうと努めている
ということが
景気の低迷を余計に長引かせる経過
をこの国へと連れてきた
これら不都合な経過の一切は
教育制度の不備に基づく
現状認識さえできない
指導体制に国の将来を委ねた
その結果として与えられたもの
高学歴で思考力の乏しい指導者
ほど有害なものはない