核分裂がうみだすそのエネルギーは
生命にとって
最も
有害なものだった
劣ったシステムを前提として成り立っている文明の姿は
野蛮であることを
自ら吹聴しているようなものになっていた
放射能を撒き散らす事故は
これまで何度もあったのだが
それが
原発の存続を
妨げるものとはならなかった
効率の高いエネルギーの利便性に誘惑され
その危険性に目を瞑ってきたからだった
先月 福島で発生した
四基の原発が
ほぼ同時に破壊されるという
結果が招いた
類例のない放射能汚染事故は
大気中と海洋中へも
高い放射線源となる物質を
同時且つ大量に放出することとなった
事故を引き起こしたすべての原発では
未だに放射能の発生を喰い止めることができず
時の経過に伴って
放射線が与える被曝線量は
毎日
毎時間 ごと
着実に増え続けている
放射能を
そこに密閉しておくことができないまま
冷却することによってのみ
崩壊熱の昂進を
かろうじて抑制することができている
というのが現状なのだ
冷却系が機能不全に陥ると
原子炉の内部で
崩壊熱の昂進がおき
日ならずして
熱暴走という状態へと突入する
高められた熱は
冷媒の水を蒸発させ
更に
それぞれの元素にまで分解し
化合物だったものを
水素と酸素とに
切り分ける
酸素の16分の1しかない軽い水素は
閉鎖された屋内の上層に貯まり
次第にその濃度を高めていく
ある一定の値にまで濃縮が進むと
そこにある熱を起爆剤にして
突如として爆発する
水素のエネルギー密度はきわめて高い
頑丈なあの圧力隔壁を破壊し
コンクリートで分厚く覆われた原子炉建屋を
一瞬で粉々に吹き飛ばしてしまうほど
その破壊力は濃縮を経て
巨大化していた
原子炉の熱交換システムは
反応熱の高まりを抑えることができていたからこそ
安定した蒸気発電を
制御裡に実施することができていたのだった
冷水を循環させるポンプが動いているためには
ディーゼルエンジンで発電機を回していなければならない
それには燃料となる軽油と熱だけ用意されていればよく
ガソリンエンジンのように
スパークプラグなどはまったく必要がなかった
水をかぶっても復旧に大きな困難はないのだが
しかし
燃料である軽油がタンクごと失われてしまったために
冷却を維持すること自体が
不可能になってしまった
その後の経過は報道が具に伝えている通り
放射能の拡散は一か月たっても
まったく止まっていない
ポンプを駆動するための外部電源が
何らかの理由で遮断されてしまうようなことがあると
原子炉は勝手に熱暴走を始めてしまう
自らの熱で水素爆発を誘発し
原子炉建屋を破壊するのだから
それだけで
効率のよい破壊活動が可能になる
人が立ち入れない地域が拡大すると
国の恒常的な安定性は失われる
このことは
熱交換システムのどこかをテロ組織が破壊すれば
原子炉が放射線を発散する破壊兵器へと変身する
ということを示していた
原子炉を持つあらゆる国は
それがあるというだけで
自国民に対する破壊圧をもつということになる
核に対して無防備だったこれまでの牧歌的な認識は
福島原発が放射能災害を生みだした時点で
安全保障を成り立たせていた枠組みを
すっかり台無しにしてしまった
きわめて脆弱な社会基盤の上に成り立っているこの文明は
放射能による脅威に常時晒されていたのである
原子力という名の文明の利器は
使い方次第で
自らを滅ぼす破壊兵器へと反転してしまうものなのだ
核は
文明を
最終的に
破壊する
こんなものに依存していてはならない
人類は
まったく別の
第三の方法を探るべきだったのだ
有効解は既に用意されたものがある
それにいつ
文明が気づくのか
ということが
健全な未来へと向かうための
分かれ道になっている
生命にとって
最も
有害なものだった
劣ったシステムを前提として成り立っている文明の姿は
野蛮であることを
自ら吹聴しているようなものになっていた
放射能を撒き散らす事故は
これまで何度もあったのだが
それが
原発の存続を
妨げるものとはならなかった
効率の高いエネルギーの利便性に誘惑され
その危険性に目を瞑ってきたからだった
先月 福島で発生した
四基の原発が
ほぼ同時に破壊されるという
結果が招いた
類例のない放射能汚染事故は
大気中と海洋中へも
高い放射線源となる物質を
同時且つ大量に放出することとなった
事故を引き起こしたすべての原発では
未だに放射能の発生を喰い止めることができず
時の経過に伴って
放射線が与える被曝線量は
毎日
毎時間 ごと
着実に増え続けている
放射能を
そこに密閉しておくことができないまま
冷却することによってのみ
崩壊熱の昂進を
かろうじて抑制することができている
というのが現状なのだ
冷却系が機能不全に陥ると
原子炉の内部で
崩壊熱の昂進がおき
日ならずして
熱暴走という状態へと突入する
高められた熱は
冷媒の水を蒸発させ
更に
それぞれの元素にまで分解し
化合物だったものを
水素と酸素とに
切り分ける
酸素の16分の1しかない軽い水素は
閉鎖された屋内の上層に貯まり
次第にその濃度を高めていく
ある一定の値にまで濃縮が進むと
そこにある熱を起爆剤にして
突如として爆発する
水素のエネルギー密度はきわめて高い
頑丈なあの圧力隔壁を破壊し
コンクリートで分厚く覆われた原子炉建屋を
一瞬で粉々に吹き飛ばしてしまうほど
その破壊力は濃縮を経て
巨大化していた
原子炉の熱交換システムは
反応熱の高まりを抑えることができていたからこそ
安定した蒸気発電を
制御裡に実施することができていたのだった
冷水を循環させるポンプが動いているためには
ディーゼルエンジンで発電機を回していなければならない
それには燃料となる軽油と熱だけ用意されていればよく
ガソリンエンジンのように
スパークプラグなどはまったく必要がなかった
水をかぶっても復旧に大きな困難はないのだが
しかし
燃料である軽油がタンクごと失われてしまったために
冷却を維持すること自体が
不可能になってしまった
その後の経過は報道が具に伝えている通り
放射能の拡散は一か月たっても
まったく止まっていない
ポンプを駆動するための外部電源が
何らかの理由で遮断されてしまうようなことがあると
原子炉は勝手に熱暴走を始めてしまう
自らの熱で水素爆発を誘発し
原子炉建屋を破壊するのだから
それだけで
効率のよい破壊活動が可能になる
人が立ち入れない地域が拡大すると
国の恒常的な安定性は失われる
このことは
熱交換システムのどこかをテロ組織が破壊すれば
原子炉が放射線を発散する破壊兵器へと変身する
ということを示していた
原子炉を持つあらゆる国は
それがあるというだけで
自国民に対する破壊圧をもつということになる
核に対して無防備だったこれまでの牧歌的な認識は
福島原発が放射能災害を生みだした時点で
安全保障を成り立たせていた枠組みを
すっかり台無しにしてしまった
きわめて脆弱な社会基盤の上に成り立っているこの文明は
放射能による脅威に常時晒されていたのである
原子力という名の文明の利器は
使い方次第で
自らを滅ぼす破壊兵器へと反転してしまうものなのだ
核は
文明を
最終的に
破壊する
こんなものに依存していてはならない
人類は
まったく別の
第三の方法を探るべきだったのだ
有効解は既に用意されたものがある
それにいつ
文明が気づくのか
ということが
健全な未来へと向かうための
分かれ道になっている